エアバス,A320系6000機の ソフト改修指示
‘Reuters’,Nov.29,2025付け
“Airbus issues major A320 recall, threatening widespread global disruption”
「エアバスがA320の大規模リコールを発表,世界規模の混乱を招く虞」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
**********************
Summary / 概要
・エアバス,A320ジェット機6,000機の緊急修理を指示
・飛行制御ソフトウェアの不具合により修理が必要
・太陽フレアによる飛行制御への影響に関連する事象
パリ,11月28日(ロイター) - 欧州のエアバスは28日,広く使用されているA320ファミリー・ジェット機6000機の即時修理を命じたと発表した。これは全世界の保有機数の半数以上に及ぶ大規模なリコールで,米国で年間で最も旅行客が多い週末の大混乱(upheaval),さらに 世界中で混乱(disruption)を引き起こす恐れがある。
今回の失敗(setback)は,エアバスの55年の歴史の中で最大規模のリコールの一つとみられ,A320がボーイング737を抜いて最多納入機となった数週間後に発生した。エアバスが350社以上の運航会社にこのリコールを発令した時点で,約3000機のA320ファミリー機が飛行していた。
ロイターが入手した航空会社向け通知(bulletin)によると,この修理は主に初期のソフトウェアへの復旧を伴うもので,比較的簡単な作業だが,修理センターへの再配置を除き,機体が再び飛行できるようになる前に実施する必要がある。
米国から南米,欧州,インドに至るまで,多くの航空会社が金曜日遅くに,この修理によりフライトの遅延や欠航が発生する可能性があると述べた。
世界最大のA320運航会社であるアメリカン航空は,保有する480機のA320のうち約340機に修理が必要となる。同社は,修理は1機あたり約2時間かかり,土曜日までに完了する見込みだと述べた。
ドイツのルフトハンザ航空,インドのインディゴ,英国のイージージェットなど,他の航空会社も修理のため,機体を一時的に運航停止すると発表した。
コロンビアのアビアンカ航空は,リコールが保有機の70%以上にあたる約100機に影響し,今後10日間で大きな混乱が生じ,12月8日までの旅行日程の航空券の販売を停止したと発表した。
A320ファミリーは約1万1300機運航しており,そのうち6440機は1987年に初飛行した中核機種である。A320ファミリーを運航する世界最大の航空会社10社のうち,アメリカン航空,デルタ航空,ジェットブルー航空,ユナイテッド航空の4社は,米国の大手航空会社である。中国,欧州,インドの航空会社も,同機の最大の顧客に名を連ねている。
業界筋によると,リコールの影響を受けるジェット機の約3分の2については,航空会社が以前のソフトウェア・バージョンに戻すため,理論的には短期間の運航停止となる。
しかし,これは,数百機のエアバス機が個別のエンジン修理や検査の待ち時間の長さにより運航停止となり,航空会社の修理工場が既に整備作業で逼迫している中での出来事である。業界は労働力不足にも直面している。
航空業界幹部はロイター通信に対し,需要が高く,機材が既に整備の遅延に直面している時期に,修理の順序を決めることは大きな課題になると語った。
航空アナリストのロブ・モリスは,今回の動きは,すぐに利用できる格納庫の収容能力がどの程度になるのかという疑問を提起していると述べている。
RECENT INCIDENT LEADS TO PROBE
最近の事故で調査開始
エアバスは,A320ファミリー機で発生した最近の事故により,太陽フレアが飛行制御の機能に不可欠なデータを破損する可能性があることが明らかになったと述べた。
業界筋によると,今回の予期せぬ修理措置のきっかけとなった事故は,10月30日にメキシコのカンクンからニュー・ジャージー州ニューアークへ向かったジェットブルー(JetBlue)航空の便で,急激な高度低下により複数の乗客が負傷した。
この便は,飛行制御の問題と意図しない急激な高度低下によりフロリダ州タンパに緊急着陸し,連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)による調査が開始された。
ジェットブルー航空とFAAはコメントを控えている。
欧州連合(EU)航空安全局(ASSA:Aviation Safety Agency)は金曜日遅く,この修理を義務付ける緊急指令を発令した。
'TWO HOUR REPAIR' / 「修理は2時間」
エアバスの広報担当者は,修理の影響を受ける機体は約6,000機で,複数の機種が混在すると推定しており,これはロイター通信の以前の報道を裏付けている。
関係筋によると,影響を受ける機体のうち1,000機以上はハードウェアの交換も必要になる可能性があるため,一部の航空会社では修理のための一時的な運航停止期間がさらに長くなる可能性があるという。
この突然のリコールは世界中に波紋を広げた。北欧では,フィンエアーの便が,パイロットが搭載するソフトウェアのバージョンを確認するため,約1時間遅延したと乗客が語った。
パリでは、エール・フランス-KLMが 1日の総運航便数の5%に相当する38便を欠航すると発表した。メキシコのボラリス航空は,最大72時間遅延または欠航に見舞われると発表している。
1984年に発売されたA320は,フライ・バイ・ワイヤ(fly-by-wire)方式のコンピューター制御を導入した最初の主流ジェット旅客機だった。
競合機種は,2018年と2019年に発生した墜落事故の後,飛行制御ソフトウェアの設計不備が原因とされ,世界中で長期間運航停止となったボーイングの737 MAXである。
アジアを中心とする経済成長により,数千万人もの新たな旅行者が空を飛ぶようになったため,近年,主力ジェット機の二大ブランドに対する需要が急増している。
元々はハブ空港向けに設計された単路モデル(single-aisle models)は,後に格安航空会社(LCC)に広く採用された。これらの機体が提供する接続サービスは,現在,経済の重要な部分を担っている。
ロイターが確認したエアバスの発表によると,問題は ‘ELAC(Elevator and Aileron Computer)’ と呼ばれる飛行システムに起因するものだった。このシステムは,パイロットのサイド・スティックから後部のエレベーターに指令を送り,機体のピッチ角または機首角を制御する。
コンピューターの製造元であるフランスのタレス(Thales)は,ロイターの問い合わせに対し,コンピューターはエアバスの仕様に準拠しており,問題の機能はタレスの責任範囲外にあるソフトウェアによってサポートされていると述べた。
(転載了)
*******************
| 固定リンク | 0
「ニュース」カテゴリの記事
- ウィンブルドンの “All-White Dress Code”(2026.07.20)
- 中国/習の好感度の向上は 米国/トランプの反動?(2026.07.22)
- 信頼性において 習/中国が トランプ/米国を抜いた(?)(2026.07.19)



コメント