他人への信頼度の ― 国,教育,収入,年齢等による違い
‘Pew Research Center’,Dec.1,2025付け
“Where most people trust others and where they don’t around the world”
「世界中で最も他人を信頼している国と信頼してない国」
の見出し調査結果を 下記,拙訳・転載します。
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社会的な信頼度は社会において重要な役割を果たす。ピュー・リサーチ・センターの最近の調査によると,米国では,他人を信頼する人は困っている時に隣人や友人を助ける傾向が高く,制度への信頼度も高いことが示されている。
しかし,米国をはじめとする多くの国では,社会的な信頼度はどこでも浸透しているわけではない。米国では成人の大多数(55%)が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している一方で,相当数(44%)が 「ほとんどの人は信頼できない」 と回答している。
今年初めに調査を実施した25ヶ国全体で,他人への信頼度には大きなばらつきがある。例えば スウェーデンでは,成人の83%が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。しかし,トルコではこの見解を示したのはわずか14%だった。
調査対象となった高所得国では,中所得国よりも信頼度が高い傾向にある。また,主に高所得国の中でも,教育,所得,年齢による信頼度の格差が見られる。
この分析では、以下の点が明らかになる。
・社会信頼度(social trust)が 国や地域によってどのように異なるか
・社会信頼度と国の経済生産高(economic output)の関係
・社会信頼度が時間の経過とともにどのように変化したか
・社会信頼度が人口統計グループ(demographic group)によってどのように異なるか
・信頼度がイデオロギーや右派ポピュリスト政党(right-wing populist parties)への支持によってどのように異なるか
How social trust varies by country and region
社会信頼度は国や地域によってどのように異なるか
カナダとアメリカでは、大多数の人が「ほとんどの人は信頼できる」と回答していますが、カナダ人はアメリカ人よりもこの傾向がはるかに強い。
ヨーロッパでは意見が分かれている。スウェーデン,オランダ,ドイツ,イギリス,スペインでは,大多数の人が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。しかし,ハンガリー,ギリシャ,フランス,イタリアでは,その逆の回答が多くなっている。
アジア太平洋地域では,オーストラリア,日本,韓国,インドネシアでは,成人の少なくとも半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。インドでは,成人の大多数が 逆の回答をしている。
イスラエルでは,この質問に対する意見は分かれている。しかし,トルコでは,成人の大多数(84%)が 「ほとんどの人は信頼できない」と回答している。
調査対象となったサハラ以南アフリカの3ヶ国(ケニア,ナイジェリア,南アフリカ)でも,大多数の人が「ほとんどの人は信頼できない」と回答している。ラテン・アメリカ諸国のアルゼンチン,ブラジル,メキシコでも同様である。
How social trust relates to a country’s economic output
社会への信頼度と国の経済生産高の関係
調査対象となった16の高所得国では,成人の中央値59% が「ほとんどの人は信頼できる」と回答した。一方,9の中所得国では中央値27%だった。社会への信頼は,スウェーデンとオランダといった高所得国で最も高く,トルコ,メキシコ,ケニア,ブラジルといった中所得国で最も低くなっている。
米国は調査対象国の中で一人当たりの国内総生産(GDP)が最も高い国だが,「ほとんどの人は信頼できる」 と回答した米国人の割合は,インドネシアやスペインといった比較的裕福でない国と同程度である。
How social trust has changed over time
社会的な信頼度は時間とともにどのように変化してきたか
近年,調査対象となった一部の地域では,社会への信頼度が高まっている。
例えばインドネシアでは,成人の53%が 「ほとんどの人は信頼できる」 と回答しており,これは昨年の41%から増加している。
他の地域では,この質問は2020年にCOVID-19パンデミックの初期段階で実施された。それ以降,社会への信頼が最も高まったのは ドイツ(13ポイント増)とスウェーデン(12ポイント増)である。
すべての国で信頼度が高まったわけではない。例えばフランスの成人では,「ほとんどの人は信頼できる」と回答する割合が2020年より6ポイント減少している。
How social trust varies by demographic group
社会的な信頼度は人口統計学的グループによってどのように異なるか
社会的な信頼度は,教育,収入,年齢,その他の人口統計学的要因によって異なる。
Education and income/ 教育と収入
調査対象となったほとんどの国において,教育水準が高い人の方が低い人よりも他人を信頼する傾向が強いことが分かった。これは特に高所得国で顕著である。
例えばフランスでは,高学歴の成人の61%が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答したのに対し,低学歴の人では35%だった。
主に裕福な12ヶ国では,高所得者の方が他人を信頼する傾向も強いことが分かった。
Age / 年齢
11カ国の主に高所得国では,高齢者は若者よりも人を信頼する傾向がある。例えば,オーストラリアでは50歳以上の80%が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,35歳から49歳のオーストラリア人では66%,34歳以下のオーストラリア人では55% しか「信頼できる」と回答してない。
Gender / 性別
7ヶ国では,男性は女性よりも 「ほとんどの人は信頼できる」と答える傾向が高い。アルゼンチン,ハンガリー,インドネシアでは,男性は女性よりも少なくとも10ポイント高い。
Race and ethnicity / 人種と民族
この情報を収集している国の中には,人種や民族によって社会的な信頼度が異なる国もある。
米国では,白人米国人は他の人種や民族の米国人よりも信頼度が高い傾向にある。黒人とヒスパニック系米国人は信頼度が最も低いと報告されている。同様に,ブラジルでは,白人成人(29%)は,混血のブラジル人(20%)や黒人(12%)よりも信頼度が高い傾向にある。
イスラエルでは,ユダヤ系成人はアラブ系成人よりもはるかに信頼度が高い傾向にある(53% 対 32%)。
Religion / 宗教
調査対象となったほとんどの国では,宗教による信頼度に大きな差は見られない。差がある場合でも,年齢,教育,政治的イデオロギーといった他の特性が関係していることが多い。
しかし,いくつか注目すべき例外がある。米国では,ユダヤ教徒の成人が際立っており,70%が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,キリスト教徒は56%,無宗教者は55%だった。(センターが今年行った別の分析では,米国ではヒンズー教徒と末日聖徒イエス・キリスト教会の信者も特に信頼感が高いことが示されている。)
イスラエルでも,ユダヤ教徒の成人の約半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,イスラエルのイスラム教徒では,その割合ははるかに低い(31%)。
How trust varies by ideology and support for right-wing populist parties
信頼度はイデオロギーや右派ポピュリスト政党への支持によってどのように変化するか
調査対象となった高所得国のうち7ヶ国では,イデオロギー的に左派の人々は右派の人々よりも他者を信頼する傾向が強い。
例えば,イタリアでは,イデオロギー的に左派の人々の約半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答しているのに対し,イデオロギー的に右派の人々は「ほとんどの人は信頼できる」と回答しているのは 約3分の1である。
同様に,一部の右派ポピュリスト政党を好ましく思わないヨーロッパ人は,これらの政党を好意的に思う人々よりも他者を信頼する傾向がある。例えばドイツでは,「ドイツのための選択肢(Alternative for Germany party)」に好ましくない意見を持つ成人は,支持者よりも「ほとんどの人は信頼できる」と回答する傾向が33ポイント高い。
(転載了)
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フランス人が 高所得国の中で 他人を信頼する割合が低いのが 目を引きました。
何となく もっとも ・・・ という気もします。
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