トランプの米国を罰する方法はあるのか?
トランプの米国が,ベネズエラを攻撃し,独裁政権を敷いていたマドゥロ大統領の身柄を拘束,さらにその国を一時的に運営するとい決定を下しました。
作戦終了後の記者会見でトランプは 「安全で適切かつ賢明な政権移行が完了するまで,われわれが運営する」と述べ,ベネズエラの政治と石油産業への継続的な関与をあからさまにしています。
この米国に対して 国際社会は何ができるのでしょうか?
‘The Guardian’,Jan.3,2026付け
“Is there any legal justification for the US attack on Venezuela?”
「米国のベネズエラ攻撃には法的正当性があるのだろうか?」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
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International law experts expect Washington to claim self-defence and face little serious pushback
国際法の専門家は,ワシントンが自衛を主張し,深刻な反発に直面することはほとんどないと予想している
ドナルド・トランプは土曜日(1月3日)の朝,米軍がベネズエラに対して「大規模攻撃(large-scale strike)」を実施し,ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領とシリア・フローレス(Cilia Flores)夫人を捕らえたと述べた。夫妻は現在,ニューヨークでテロと麻薬の罪で起訴されている。トランプはマドゥロが 「麻薬テロ組織(narco terrorist organisation)」を運営していると非難している。
しかし,この作戦の合法性(legality)は疑問視されており,トランプの同盟国の一部でさえ,国際法違反(violated international law)を示唆している。
ガーディアン紙は,ベネズエラで展開されている一連の出来事について,国際法分野の第一人者に見解を求めた。
Is the US operation in Venezuela justified under international law?
ベネズエラにおける米国の作戦は国際法上正当化されるのか?
ガーディアン紙が取材した専門家たちは,米国が1945年10月に調印され,第二次世界大戦規模の紛争の再発防止を目的として制定された国連憲章の条項に違反した可能性が高いという点で一致した。この憲章の核心条項である第2条第4項は,各国は他国に対して軍事力の行使を控え,その主権を尊重しなければならないと定めている。
ダウティ・ストリート・チェンバーズ(Doughty Street Chambers)設立代表で,シエラレオネの国連戦争犯罪裁判所(the UN war crimes court)元所長のジェフリー・ロバートソンKC(Geoffrey Robertson KC,*KC:King's Counsel,勅選弁護士)は,ベネズエラへの攻撃は国連憲章第2条第4項に違反していると述べた。「現実に,米国は国連憲章に違反している(in breach of)」と彼は付け加えた。「ニュルンベルク裁判で最高犯罪とされた侵略罪(crime of aggression)を犯した。あらゆる犯罪の中で最悪の犯罪だ。」
キングストン大学の国際法教授,エルビラ・ドミンゲス=レドンド(Elvira Domínguez-Redondo)は,この作戦を 「他国に対する侵略犯罪であり,違法な武力行使である。」と述べた。高等法研究所の上級准研究員で国際法教授のスーザン・ブロウ(Susan Breau)も,この攻撃が合法とみなされるには,米国が国連安全保障理事会の決議を受けていたか,自衛のために行動していた必要があるという点に同意した。「どちらの点についても,全く証拠がない。とブロウは述べた。
How is the US likely to defend its actions?
米国は自らの行動をどのように弁護するのだろうか?
米国は,マドゥロが率いると非難する「麻薬テロ組織」の脅威に対抗するため,ベネズエラへの攻撃は自衛のためだったと主張するかもしれない。国連憲章と米国国内法の両方に,自衛のための軍事力行使に関する規定がいくつかある。
しかし,ロバートソンは次のように述べた:「米国が自衛のために行動したと主張することは考えられない ―もちろん主張するだろうが。自衛を行使するには,武力攻撃を受けるという真に誠実な信念を持たなければならない。ベネズエラ軍が米国を攻撃しようとしていると示唆した者はいない ・・・ マドゥロが何らかの種類の麻薬王(drug supremo)であるという考えは,政権転覆のための侵略は違法であるという原則に抗うことはできない。」
「麻薬密売人(drug traffickers)が米国の主権を脅かしていることを証明する必要がある。」とブレオは付け加えた。「米国は麻薬密売が蔓延し(scourge),多くの人々を死に至らしめていると強く主張する(argue vigorously)だろうし,私も同感だ。しかし,多くの国際法専門家がこの件を検証してきたが,麻薬密売人がベネズエラ出身であるという明確な証拠すらなく,ましてや彼らがマドゥロ大統領の支配下にあったという証拠などないのだ。」
What sanctions could the US face for its actions?
米国は今回の行動に対してどのような制裁を受ける可能性があるのか?
国連安全保障理事会は,平和維持のために各国に制裁を課すことができる。これには,貿易制限,武器禁輸(arms embargos),渡航禁止(travel bans)などが含まれる。しかし,安全保障理事会の5ヶ国(米国,中国,ロシア,英国,フランス)はこれに拒否権を持っているため,米国に対するいかなる措置も発効する可能性は低いだろう。
「制裁(sanctions)は安全保障理事会によって課されるべきであり,米国は拒否権(veto)を持つ理事国である。」とロバートソンは述べた。「これは重要である。なぜなら,安全保障理事会が無価値な機関(worthless body)であることを示すからだ。国際法に違反する国は,拒否権を発動するだけで非難(condemnation)を免れることができる … 行動できる唯一の機関は、米国の拒否権によって骨抜きにされる(eviscerated)だろう。」
ドミンゲス=レドンドは,この状況を「不可能(impossible)」と表現した。「安全保障理事会が制裁を決定できない場合,各国は制裁に従うかどうかを選択できる。」と彼女は述べた。 「米国には拒否権があるため,制裁がそこで決定されることは決してないだろう。」
What precedent could this set globally?
これは世界的にどのような前例となるのだろうか?
米国がベネズエラ侵攻に対して何の責任も負わなければ,専門家は,他の国々が国際法に違反する(contravene)可能性のある作戦を実行することを大胆に促す(embolden)可能性があるとみている。
「最も明白な結果は,中国がこの機会を利用して台湾侵攻を行うことである。」とロバートソンは述べた。「トランプのベネズエラ侵攻,そしてもちろんウクライナ侵攻におけるロシアへの宥和政策(appeasement)という前例(precedent)を踏まえると(bolstered),今が中国にとって最も適切な時期である。実際,トランプのベネズエラ侵攻は侵略罪(the crime of aggression)であり,プーチンがウクライナ侵攻で犯したのと同じ罪である。」
ドミンゲス=レドンドは,今回の侵攻は国連安全保障理事会のさらなる弱体化につながる可能性があると付け加えた。「安全保障理事会は第三次世界大戦の予防メカニズムだった。」と彼女は述べた。 「これは主に米国によって,そして英国が承認なくイラク戦争に突入した際にも,完全に崩壊した(dismantled)。安全保障理事会の力は弱体化した(eroded)。」
Where does Trump’s attack leave US allies?
トランプの攻撃は,米国の同盟国にどのような影響を与えるのだろうか?
英国のキア・スターマー首相は,ベネズエラ侵攻作戦の真相究明のため,トランプをはじめとする同盟国と協議したいと表明したが,英国は侵攻に関与していないことを強調し,「我々は皆,国際法を遵守すべきだ。」と述べた。他のNATO加盟国も,今後の展開を注視している。
「ニュルンベルク原則の守護者として,英国には米国の国際法違反を非難する義務がある。」とロバートソンは述べた。「戦争を始める指導者は,その後に起こる死と破壊の責任を負っていると言えるだろう。
「これまで正直に(straight bat)行動し,事実が完全に明らかになるまでは当然ながらコメントを控えてきたキア・スターマーにも責任がある。しかし,ニュルンベルク原則を擁護して,侵略罪を犯して原則に違反したトランプを非難し,自由世界を率いてその影響を緩和しようとする義務が,彼に課される可能性が高いだろう。」
(転載了)
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80年前の戦勝国の勝手が通り,国際法を守る力のない国連は 仕組みを変えない限り,もはや 存在意義を失くしているようです。
現在 国際平和を乱す(可能性が大きい)国は 米国,ロシア,中国 ・・・ 。
トランプ,流石に今年は ノーベル平和賞を口に出すことはないでしょうね。
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