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2026年4月14日 (火)

世界で唯一仏教徒のみが減少している

Pew Research Center’,Mar.11,2026付け
Buddhism’s Recent Decline in East Asia
「東アジアにおける仏教の近年の衰退」
の見出し調査報告を 下記,拙訳・転載します。

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Buddhism is the only major religion in the world with a falling number of adherents, according to Pew Research Center estimates for 2010 and 2020. By contrast, other religions grew during that period.
ピュー・リサーチ・センターの2010年と2020年の推計によると,仏教は世界で唯一信者数が減少している主要宗教である。対照的に,同時期に他の宗教は信者数が増加した。

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世界の仏教徒のほとんどはアジアに住んでおり,その90%以上が10ヶ国に集中している。

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仏教の衰退は,中国,韓国,日本を含む東アジアで特に顕著である。

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東アジア全域で,仏教徒として育てられた多くの人々が,もはや仏教を信仰していない。彼らの多くは現在,無宗教であり(religiously unaffiliated),無神論者(atheist,),不可知論者(agnostic),あるいは 「特に何もない」と自認している。

例えば、ピュー・リサーチ・センターが2024年に実施した調査によると,日本では仏教徒として育てられた成人の40%が現在,無宗教であり,韓国では,42%である。

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人々が仏教から離れていく理由と方法を理解するため,ピュー・リサーチ・センターは東京とソウルで,仏教徒の家庭で育った日本人と韓国人の成人を対象にインタビュー調査を実施した。
対象者は,高齢者と若者の混合層で,中には,仏教の信仰に浸りながら育ち,今でも仏教に関わっている人もいるが,両親や祖父母の世代ほどではない。一方,子供の頃は仏教との関わりが希薄だったと記憶し,今では宗教についてほとんど考えていない人もいる。

これらのインタビューは202410月に実施された。これらのグラフは,ピュー・リサーチ・センターの調査と人口統計研究のデータに基づいており,報告書「世界中で多くの人々が幼少期の宗教を離れている(Around the World, Many People Are Leaving Their Childhood Religions)」 および 「東アジア社会における宗教とスピリチュアリティ(Religion and Spirituality in East Asian Societies)」も含まれている。

Fading generationally / 世代を超えて薄れゆく仏教徒

ソウル郊外で両親と暮らす大学生のイ・スンウさんは,祖父母は熱心な仏教徒だが,両親はそれほどではないと言う。彼女は宗教的慣習の意味を理解していない。「私は精神的なものよりも科学を信じる傾向があるので,目に見えないものは信じない。」とイさんは言う。

調査データによると,日本と韓国の両国において,若者は高齢者に比べて,自らを仏教徒と考える割合が低いことが分かっている。

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実際,我々の人口統計学的推計によれば,両国において仏教徒が人口に占める割合は減少しており,一方で無宗教の人々がますます増えている。

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宗教からの離脱は,多くの場合,完全に決別(clean break)したり,意図的な改宗(deliberate conversion)をしたりするのではなく,育った環境(upbringing)から徐々に離れていくプロセスである。田舎や小さな町を離れ,大都市に移り住み,その過程で家族の伝統とのつながりを失っていく人もいる。

東京でバーを経営する辻中純一郎さんは,父,祖父,曽祖父が北海道で漁師をしており,全員が仏教寺院で供物を捧げ,寄付を集め,神社の維持管理を手伝う奉仕活動を行っていたと語る。辻中さんは幼い頃,これらの仕事を手伝っていたが,今では宗教と関わることはほとんどない。
「私は祈る習慣をあまり身につけなかった。」と彼は話す。「兄と私が故郷を離れて以来,寺や神社に関するすべての責任を両親に任せてきた。」

No time for temples / 寺院に行く時間がない

他のインタビュー対象者も,仕事,学業,日々の家事などで忙しい中で,精神的な活動や宗教活動のための時間を見つけるのが難しいと答えている。

定期的な祈りと礼拝を重視するユダヤ教(Judaism),キリスト教(Christianity),イスラム教(Islam)とは異なり,仏教では毎週寺院に行く習慣はない。それでも,寺院への参拝や仏教の祭りへの参加は,東アジアの伝統的な生活の中核を成してきた。

ソウルで引退した店主,オ・ジョンナムさんは,小さな町で育った頃は仏教の儀式や祭りによく参加していたと言う。しかし,子育てをする中で,現代社会のプレッシャーに直面した。
「子供たちと一緒にお寺に行った記憶はない。」 とオさんは言う。「子供たちは勉強に集中する必要があり,私は自分の生活があった。…一緒に過ごす時間を作るのは大変だった。」

オさんは仏教徒の家庭で育ったが,現在は仏教徒ではないと言う。

一部の社会学者は,東アジアにおける宗教への参加は世代を追うごとに減少していると示唆している。2023年に日本と韓国で実施した調査では,両国の若者は年配者に比べて寺院を訪れる割合がはるかに低いことが示されている。

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or pray to Buddha.
・・・ あるいは 仏に祈る。

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東アジアには,寺院参拝や祈祷といった正式な慣習以外にも,仏教信仰や神々(deities)に関わる文化的伝統が数多く存在する。しかし,我々のインタビューによると,これらもまた若者にとって関わり(relevance)を失いつつあるようだ。

日本では,多くの仏教徒の家庭に仏壇がある。仏壇は一般的に木で作られた小さな神殿(shrines)で,仏像(Buddha)や菩薩像(bodhisattvas),そして亡くなった親族を偲ぶ写真や位牌などが安置されている。伝統的に,家族はこれらの仏壇で線香を焚いたり,ろうそくに火を灯したり,食べ物や水,生花を供えたりするなど,日々の儀式を行っていた。

書籍編集者の小田篤さんは,母が亡くなった後,父が仏壇の維持管理を引き継いだと言う。しかし,小田さんは父からこの仕事を引き継ぐつもりはない。
「おそらく仏壇(altars)を少し手直しして,今までとは違う形にすることで,手入れにそれほど手間がかからないようにすると思う。」と小田さんは言う。

Smaller families / 家族の縮小

東京でレストランを経営する中島千恵子さんは,「最近の日本の家族は小さくなり,子供の数も減っている。」と指摘する。彼女が子供の頃は,宗教的な慣習や家庭の伝統は世代から世代へと,何の苦労もなく受け継がれていたように思えた。しかし,今はそうではないと彼女は言う。
「家族制度が崩壊し,人々は親戚と会うこともなくなった。」と中島さんは言う。「だからこそ,少なくともここ東京では,独特の家族の伝統が急速に消えつつあるのです。」

Negative views of religion / 宗教に対する否定的な見方

我々が話を聞いた何人かの人々は,宗教全般に対して否定的な見解を示しており,それが仏教に対する彼らの態度に影響を与えている可能性がある。

ソウルでスタジオ技術者として働くホン・ロジョン氏は,宗教を迷信(superstition)やシャーマニズム(shamanism)と結びつけている。彼によると,父親は仏教徒だが,幸運を祈願するお守りを持つなど,シャーマニズム的な慣習に携わっているという。

「父は…邪気を払うとされる悪臭の(bad-smelling)お香を焚き,奇妙な絵やお守りを飾っている。」とホン氏は言う。「私の財布には,父が自分で置いたお守りが一つ入っている。あまり効果がないと思う。」

韓国の仏教寺院には,シャーマニズムの神々が祀られていることがある。どちらの伝統にも,祖先を崇拝したり,災いを払い,祝福をもたらすための儀式を行うなど,共通する慣習がある。

日本では,宗教という概念そのものが暴力によって汚されてしまった(tarnished)と人々は語った。

東京のテレビ・レポーター,佐藤正美氏は,宗教に対する最初の印象の一つは,1995年にオウム真理教が東京の地下鉄で起こしたサリン事件だったと言う。現在,アレフとして知られるオウム真理教は,仏教を含む複数の宗教の要素を取り入れた新興宗教運動である。

Continuing connections / つながりの継続

東アジア社会における仏教の宗教的影響力は,特に若者の仏教徒としての自認率や活動への参加率を見ると,低下していることは間違いない。

しかし,我々がインタビューした何人かの人々は,もはや自らを仏教徒とは呼ばないとしても,依然として仏教との文化的なつながりを感じており,その教えの一部に惹かれていると述べた。

例えば佐藤氏は,子供の頃に抱いた宗教に対する非常に否定的な見方を改め始めたと言う。彼は今でも天国も地獄もカルマも信じていない。しかし,大人になった今,彼は仏教の中心的な教義である輪廻転生(reincarnation)に興味を抱いている。「特定の宗教のせいで輪廻転生を信じているわけではない。」と彼は言う。「むしろ,自分自身の内なる対話を通して,『人は死んだらどうなるのか?』と考えるようになったのです。」

東京では,辻中さんはリラックスできるため,近所のお寺に時々足を運ぶ。仏教のお祭りに遭遇すると,お守り(寺や神社でよく売られている縁起物)を友人へのお土産としていくつか買う。

ピュー・リサーチ・センターの調査によると,日本では無宗教の人の約3分の1,韓国では10人に4人が仏教の教えに親近感を抱いている。

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ソウルに住むオさんは,今も仏教の信仰に慰めを求めていると語る。「仏教は私が育った環境であり,今も私の中に残っている。」と彼女は言う。

Acknowledgments / 謝辞

ピュー・リサーチ・センターは,主要な資金提供者であるピュー慈善信託(The Pew Charitable Trusts)の子会社である。本文は,ピュー・テンプルトン世界宗教の未来プロジェクト(the Pew-Templeton Global Religious Futures project)の一環として,同センターによって作成された。このプロジェクトは,宗教の変化とその世界社会への影響を分析するものである。

(*以下略)

(転載了)
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