« ‘Hario’ の “V60 Dripper NEO” | トップページ | トランプ 投稿:やられたら やり返す。 »

2026年6月10日 (水)

諦めないトランプ ー 次は「1974年通商法第301条」 による関税

PBS NEWS’,June 3, 2026付け
U.S. says it plans extra tariffs of 10% or more for most trading partners after forced labor probe
「米国,強制労働調査により 主要貿易相手国に対し10%以上の追加関税を課す計画を発表」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。

***********************
WASHINGTON (AP) — President Donald Trump is in a hurry to rebuild the tariff wall the Supreme Court tore down less than four months ago.
ワシントン(AP通信)- ドナルド・トランプ大統領は,最高裁がわずか4ヶ月前に撤廃した関税の壁を急いで再構築しようとしている。

政権は今週,強制労働によって製造された疑いのある輸入品に関する調査により,数十の主要貿易相手国からの製品に二桁の関税を課すことを提案した。そして,さらなる関税措置が講じられる可能性が高い。

火曜(62日)夜にワシントンで発表された提案によると,カナダ,メキシコ,欧州連合(EU),台湾,英国を含む16の国・地域は,強制労働禁止措置の執行を怠った(failing to enforce bans on forced labor)として 10の関税を課される。中国,日本,インド,韓国,スイスを含む他の44の貿易相手国には12.5の輸入関税が課される。

これらの関税措置は,トランプが昨年課した包括的な国際関税が最高裁によって無効とされたことで失われた歳入を補填する(replace)ための取り組みの一環である。今回の相次ぐ集中砲火(barrage)は,昨年初めにトランプが大統領に復帰して以来,相次ぐ関税に苦しめられてきた主要貿易相手国を不安にさせる(unsettle)可能性が高い。

WATCH: What's next for consumers and the economy after the Supreme Court's tariff ruling
注視:最高裁の関税判決後,消費者と経済はどうなるのか

「最も重要な貿易相手国が強制労働によって製造された商品の輸入に対処しないことは容認できない。」と,ジェイミーソン・グリア米通商代表(U.S. Trade Representative Jamieson Greer)は声明で述べた。「これは,米国の労働者が不公平な競争条件の下で世界的に競争せざるを得ない状況を生み出している」。
グリア代表事務所は,こうした輸入を阻止できないことは「不合理であり,米国の通商に負担または制限を与える。」と述べた。

トランプの関税は,通常,そのコスト増を消費者に転嫁しようとする米国の輸入業者が負担する。

WATCH: How upcoming tariff refunds may affect U.S. businesses and consumers
注視:今後の関税還付が米国企業と消費者に及ぼす影響

中間選挙まで数ヶ月を控え,物価高騰に対する国民の不安が高まっていることを踏まえ(mindful),米政権は,航空機部品,食品(コーヒーから牛肉まで),スマートフォンや自動車の製造に不可欠なレアアース鉱物など,多数の品目を今回の関税案から除外することで(exempting),影響を限定する方針を示した。北米貿易協定(NATPANorth American trade pact)の対象となるカナダとメキシコからの輸入品も除外される。

新たな関税は直ちに発効するわけではなく,パブリック・コメントと審査を経て決定される。関税案に関する公聴会(public hearings)は77日に開始される予定だ。

この計画は直ちに反発(pushback)を招いた。中国政府の報道官は強制労働疑惑(the forced labor allegation)を否定し,貿易戦争は誰の利益にもならないとして,対話を通じて(through dialogue)経済問題を解決するよう求めた。
「中国には強制労働など存在しない。我々はそれを政治的な操作の口実として利用することに反対する。」と,中国外務省の毛寧(Mao Ning)報道官は北京で述べた。

米国は長年,中国最西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang)産の原材料を含む輸入品は強制労働が行われているリスクがあると指摘してきた。中国政府は,イスラム教徒が多数を占める同地域での強制労働疑惑を否定している。

READ MORE: U.S. and China seek to repair damage from tariff war that sent trade into a freefall
その先に:米中両国,貿易を急激に悪化させた関税戦争による損害の修復を目指す

しかし,批判派は,提案された関税は,法的要件を満たしていない世界数十ヶ国に対する関税を復活させるための口実(pretext)だと見ていた。

EUが強制労働対策が不十分だと非難するのはばかげている(absurd)。」と,欧州議会貿易委員会(the European Parliament's trade committee)のベルント・ランゲ(Bernd Lange)委員長はソーシャル・メディアに投稿した。「EUは,強制労働によって製造された製品に対して世界で最も厳しい規則を採択している。これは,既に決定済みの関税の法的根拠に事実を無理やり当てはめようとしているように見える。」

この新たな動き(maneuver)は,トランプ政権が,度重なる裁判での敗訴(setbacks)にもかかわらず,世界最大の経済大国である米国経済を関税の壁で囲い込もうとする強い意志を示している。

2月,最高裁判所は,トランプが昨年,1977年の国際緊急経済権限法(IEEPAInternational Emergency Economic Powers Act)を発動して世界中のほぼすべての国に二桁の関税を課したことは権限の逸脱(overstepped his authority)であるとの判決を下した。裁判官らはこれらの関税を無効とし(struck down),関税を支払った企業が払い戻しを求める道筋をつけた。

WATCH: Why the Supreme Court ruled against Trump's tariffs
注視:最高裁がトランプの関税に反対した理由

裁判で敗訴した後,トランプは別の法律を根拠に,世界規模で10の暫定関税を課した。しかし,この一時しのぎ(stopgap)暫定関税は724日に期限切れとなる。さらに,専門の貿易裁判所は先月,この関税も違法であるとの判決を下した。ただし,この訴訟が裁判所で審理されている間は,政府は引き続き関税を徴収することができる。

トランプの関税は,歳出が税収を常に上回る連邦政府に,数百億ドルもの歳入をもたらしてきた。トランプは,2025年の大規模減税によって失われる歳入の一部を,国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税で補填しようと目論んでいた。

しかし,裁判での敗訴以降,関税収入は減少傾向にある。財務省によると,昨年10月には310億ドル以上でピークに達したが,今年3月と4月にはそれぞれ220億ドルまで減少した。

トランプとスコット・ベッセント財務長官(Treasury Secretary Scott Bessent)は,失われた歳入を補填すると誓った。そして,過去に法的異議申し立てに耐えてきた法的根拠(legal authority):すなわち1974年通商法第301条(Section 301 of Trade Act of 1974)に頼った。この条項は,「不当」,「不合理」,「差別的」な貿易慣行を行っていると判断された国に対し,関税その他の制裁措置を課すことを認めている。トランプは,1期目にこの第301条を用いて中国に高関税を課した。

301条へのこのアプローチの優れた点は,政治的に見て,強制労働を取り締まり,各国に強制労働法を施行させるべきではないと主張するのが非常に難しいことだ。」と,キング&スポルディング法律事務所のパートナーで元米国通商代表の貿易弁護士ライアン・マジェラス(Ryan Majerus)は述べた。

カナダのマーク・カーニー首相は,サプライ・チェーンにおける強制労働に関する法案を間もなく提出すると述べた。「カナダはサプライ・チェーンにおける強制労働に対して非常に強力な法制度を有している。」とカー​​ニー首相はオタワで記者団に語った。「我々は,商品やサービスに強制労働の要素が一切含まれることを望んでおらず,強制労働と児童労働の慣行を根絶するために影響力を行使したいと考えている」。

米国通商代表部(USTR)は,強制労働に関する約100ページに及ぶ報告書の中で,たとえある国が国内で強制労働を禁止していたとしても,強制労働によって製造された商品を輸入することは公正貿易のルールに違反すると述べている。

マジェラスは,暫定関税が来月期限切れになるまでに,新たな関税体系が準備できると見込んでいる。 「USTR(米国通商代表部)は,おそらくホワイト・ハウスからの圧力もあり,(関税収入に)空白が生じないよう,非常に大きなプレッシャーを受けている。」と彼は述べた。「現在のスケジュールを見る限り,彼らはこれらの措置を完了させ,実施準備を整えるだろうと確信している。」 彼は,強制労働に関する調査は,通常の通商法301条に基づく調査の「約2倍のスピード」で進んでいると指摘した。

政権はまた,中国,EU,日本を含む16の貿易相手国(米国の輸入の70%を占める)が過剰生産を行い,価格を押し下げ,米国の製造業者を不利な立場に追い込んでいるかどうかについて,通商法301条に基づく調査を進めている。

さらに,政権は月曜日,世界第10位の経済大国であるブラジルに対し,汚職対策の不徹底や不当な関税など,「不当な」貿易慣行を行っているとして,25%の通商法301条に基づく関税を課すことを提案した。

火曜日に発表された報告書は,強制労働を「不履行に対する何らかの罰則の脅威の下で,労働者が自発的に申し出ていない労働または役務」と定義した。報告書は,国連の国際労働機関(ILO)の推計を引用し,2021年時点で2760万人が強制労働に従事していたと指摘した。

ミャンマー産の米,マラウイ産のタバコ,ブラジル産の牛肉,中国産の綿花とポリシリコンなど,多くの製品が強制労働に関与する可能性が高いと報告書は述べている。

(転載了)
***********************

| |

« ‘Hario’ の “V60 Dripper NEO” | トップページ | トランプ 投稿:やられたら やり返す。 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ‘Hario’ の “V60 Dripper NEO” | トップページ | トランプ 投稿:やられたら やり返す。 »