Trump Says ‘I Love the Inflation’
‘TIME’,June 11, 2026付け
‘Trump Says “I Love the Inflation” as Rate Reaches Three-Year High’
「インフレ率が3年ぶりの高水準に達したことを受け,トランプは 『インフレが大好きだ』 と発言」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
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You know what I really love?” President Donald Trump told reporters in the Oval Office Wednesday. “I love the inflation.”
「私が本当に好きなものって何だと思う?」 ドナルド・トランプ大統領は水曜日(6月10日),大統領執務室で記者団にこう語った。「インフレが好きだ。」
トランプの発言は,労働統計局(the Bureau of Labor Statistics)が発表した最新のデータについて質問された際のものだった。このデータによると,消費者物価指数(CPI:the Consumer Price Index)は今年3ヶ月連続で5月に上昇し,前年同月比 4.2%増となった。これは2023年以来初めてインフレ率が 4%を超えたことを意味する。
「この数字は素晴らしい」とトランプは説明した。長年民主党を批判してきた指標について,異例とも言えるほど楽観的な様子だった。大統領はニューヨーク・ポスト紙に対し,数字がこれ以上高くならなかったことを「好き」と言いたかったのだと釈明し(clarified),政敵によって発言が文脈から切り離されて解釈されていると主張した。
「トランプは本当に 『インフレが大好きだ』と言った。カメラの前で。全米が聞いている前で。」と,上院少数党院内総務のチャック・シューマー議員(民主党、ニューヨーク州選出)はソーシャル・メディアに投稿した。下院少数党院内総務のハキーム・ジェフリーズ議員(民主党、ニューヨーク州選出)も同様に,トランプの発言を「異例の(extraordinary)」発言と呼び,「彼が一般市民の生活向上など全く気にしていない(doesn’t give a damn)という結論しか導き出せない。」と付け加えた。
大統領は,ホワイト・ハウスの執務室で記者団に対し,最新のインフレ率に対する「愛」を正当化しようと試みたようで,生活費の上昇は,エネルギー価格を押し上げている米・イラン戦争が原因だと説明した。「戦争が終われば?インフレ率は急落するだろう。」とトランプは断言した(asserted)が,実際にいつ戦争が終結するのかは依然として不明である。
トランプは,自身の政権が経済的な救済策を提供したと主張し,イランが封鎖しているホルムズ海峡(戦前は世界の石油生産量の5分の1が通過していた海峡)から秘密作戦で1億バレル以上の石油を入手したと述べた。トランプは,この作戦は検証されていないものの,石油価格が専門家の予測である1バレル $250まで上昇せず,$90近辺にとどまっているのは,この作戦のおかげだと述べた。
とはいえ,トランプのこうした軽率な発言(glibness)は,共和党が厳しい中間選挙に直面する中でなされたものであり,経済と生活費は依然として有権者の最大の関心事となっている。火曜日に発表されたエコノミスト/YouGovの世論調査結果によると,調査対象となった米国人の63%がトランプの経済運営を支持していない。中東紛争の長期化に伴い,消費者信頼感も低下している。
にもかかわらず,トランプは物価が戦前の水準に戻ると繰り返し約束している。ホワイト・ハウスでは,2026年初頭にアイオワ州を訪問した際にガソリン価格が1ガロンあたり $1.85だったと述べ,「我々は間もなくその水準に戻るだろう。」と語った。
What the latest figures state / 最新の統計が示すもの
水曜日に労働統計局が発表したデータによると,代表的な商品バスケットの価格変動を追跡する消費者物価指数は,2026年5月に2025年5月比で 4.2%上昇した。
これは,イラン戦争が勃発した2月後半以降,3ヶ月連続の上昇となる。月間ベースでは,先月は 0.5%上昇,3月は 0.9%上昇,4月は 0.6%上昇だった。
指数上昇の主な要因はエネルギー価格である:労働統計局によると,エネルギー価格は全品目における上昇分の60%以上を占めている。エネルギー価格は5月に3.9%上昇し,3月の10.9%,4月の3.8% に続く大幅な上昇となった。食料品とエネルギー価格は変動が激しく,これら以外の品目では,5月の物価上昇率は前年同月比 2.9%と,それほど深刻ではなかった。
インフレ率は,ジョー・バイデン前大統領時代の2022年半ばのピークである 9.1%を依然として大きく下回っているものの,連邦準備制度理事会(FRB)が定める物価安定目標である2%を依然として上回っている。ただし,この目標は2021年3月以降,毎月上回っている。インフレ率の上昇は利上げにつながり,企業や消費者の感覚をさらに悪化させ,経済を弱体化させる可能性がある。
What Trump has said about inflation
トランプのインフレに関する発言
トランプの最近のインフレへの対応は,民主党政権下でインフレが発生した際の長年の発言とは対照的だ。
2期目の大統領選キャンペーン中,彼はインフレの原因を外部要因ではなくバイデンに繰り返し押し付けた。「ジョー・バイデンがあまり良い人物ではないことは誰もが知っていたが,彼がこの国にとってこれほどの大惨事になるとは誰も想像できなかっただろう。」と,2022年初頭のアリゾナ州での集会で述べた。2023年の保守政治行動会議(CPAC:Conservative Political Action Conference)では,大統領になれば 「インフレに非常に迅速に(very, very quickly)対処する。」と約束した。
2024年の大統領選で勝利したトランプは,国際貿易相手国に対する関税措置を復活させた。経済学者たちは,これが物価上昇につながる可能性があると警告していた。しかし,同年初めに TIME誌のインタビューに応じたトランプは,関税がインフレを引き起こすとは考えていないと述べた。ところが,今年4月に発表された連邦準備制度理事会(FRB)の経済学者による調査によると,関税は実際に物価上昇を招いた。
2025年後半,民主党が共和党への批判材料として用いた「手頃な価格(affordability)」というテーマをトランプは積極的に取り入れようとし,政権は物価引き下げを目指して一部の政策を撤回した。しかし,インフレ率が目標値を上回り続ける中,12月にはトランプはこの問題を「でっち上げ(hoax)」,「偽りの物語(fake narrative)」,「民主党が仕組んだ詐欺(con job)」だと非難した。「我々こそがそれを解決しているのだ。」とトランプは付け加えた。
(転載了)
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To entrust the steering of the country to such a two-faced man — Americans are truly brave.
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