中国/習の好感度の向上は 米国/トランプの反動?
‘Pew Research Center’,July 15, 2026付け
“Views of China and Xi Are Improving Globally”
「世界的に中国と習への見方が改善傾向に」
の見出し調査報告を 下記,拙訳・転載します。
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But opinions are much less positive in wealthier nations, a 37-country survey finds
しかし,富裕国では依然として評価は低調,37ヶ国を対象とした調査で判明
この10年の初め,新型コロナウイルスのパンデミックの最中には,多くの国で中国に対する見方が歴史的な低水準にあった。しかし 近年では,中国に対して好意的な見方(positive views)が広まっており,一部の地域では過去最高を記録するほどになっている。
また,世界の情勢に関して中国の習近平国家主席が適切な行動をとると信頼する人の数も増えている。とはいえ,調査対象となった国々の大半,とりわけ一部の富裕国(the wealthier ones)においては,習に対する見方は依然として好意的なものよりも否定的なものの方が優勢である。
2026年2月8日から5月13日にかけて37ヶ国・4万5000人以上を対象に実施されたピュー・リサーチ・センターの新たな調査によると,これら2つの結果は,世界中で中国がどのように見られているかという全体像を浮き彫りにしている:
・中国に対する世論は改善傾向にある。
・欧州や東アジアの富裕国に比べ,ラテン・アメリカ,アフリカ,そして南アジアや東南アジアの一部といった新興国(emerging economies)では,中国に対してはるかに好意的な見方がなされている。
・中国に対する懸念も依然として残っており,具体的には,中国政府による個人の自由の尊重のあり方,近隣諸国との領土紛争の可能性,他国の内政への干渉などが挙げられる。
こうした変化は,米国に対する見方の変化と並行して生じている。中国のイメージが向上したことも一因だが,何よりも米国に対する評価が悪化したことにより,現在,25ヶ国で米国よりも中国の方が好意的に見られており,22ヶ国では ドナルド・トランプ米大統領よりも習の方が信頼されている。
Favorability of China / 中国に対する好感度
調査対象となった37ヶ国全体では,中国に対して好意的な見方を持つ人の割合は中央値で 51%,好意的でない見方を持つ人は 39%だった。
サハラ以南の(sub-Saharan)アフリカやラテン・アメリカでは,概して好意的な見方が優勢である。一方,ヨーロッパや北米では,やや否定的な見方が見られる。
中国に対する見方が最も好意的な地域と,最も否定的な地域は,いずれもアジア太平洋地域にある。パキスタンでは10人中9人が中国を好意的に見ているのに対し,日本の成人ではわずか11% にとどまっている。
アジア太平洋地域内におけるこうした見方の大きな隔たりは,より広範な傾向の一部と言える: すなわち,オーストラリア,日本,韓国といった比較的裕福な国々では,中国に対する見方が否定的になる傾向がある。シンガポールはこの傾向における明確な例外であり,調査対象国の中で最も高いGDPを誇る一方で,中国に対する好感度も国別中央値を大きく上回っている。
私たちの調査でも長年続いてきたことだが,ほとんどの国で若者は年配者よりも中国に対して好意的な見方をする傾向がある。また,一部の国では,自分をイデオロギー的に左派に置く人々の方が,イデオロギー的に右派に置く人々よりも中国に対してより肯定的な見方をする傾向がある。
Views over time / 時間の経過に伴う見方
近年,調査対象国の3分の1以上で中国への好感度が高まっている。より大きな変化の多くは,オーストラリア,カナダ,韓国,スウェーデンなど,過去5年間に歴史的に中国に対して否定的な見方が多かった国々で起きた。
一部の地域では,中国に対する見方は現在,歴史的最高値またはそれに近い水準に達している。たとえば,現在イタリア人の 51% が中国に対して肯定的な見方をしているが,2025 年には 45%,2022 年には 31% で,20 ポイント増加した。イタリア人の約半数が中国を好意的に見ているのは,約20年間の世論調査で初めてのことである。同様に,スペインでは現在,成人の 54%が中国に対して肯定的な見方をしており,昨年から17ポイント増加しており,スペイン人の中国に対する見方が過半数で肯定的となったのは2011年以来初めてである。
コロンビア,ギリシャ,ハンガリー,インドネシア,マレーシア,メキシコ,ナイジェリア,ペルー,シンガポール,スリランカ,トルコでも,中国に対する見方は歴史的最高かそれに近い水準にあるが,これらの国で我々が質問をしてきた期間には差がある。これらの同じ国の一部では,米国に対する評価が記録的な低さ,あるいはそれに近い水準にある。
しかし,中国に対する見方がより否定的になっている国もいくつかある。例えばイスラエルでは,中国に対する見方は歴史的低水準にあり,好意的はわずか19%で,昨年の33%,2019年の66%から低下した。(センターの昨年の調査では,中国がイスラエルとパレスチナ人の間の永続的な平和に向けた取り組みに役立つと考えているイスラエル人はほとんどいないことも判明した)。
タイ(-11ポイント)と南アフリカ(-5ポイント)では中国に対する好意的な見方は低下している。しかし,これらの国では,中国に対して好意的な見方をする人よりも,非好意的な見方をする人が依然として多い。
Confidence in Xi / 習への信頼度
国際情勢において習近平・中国国家主席が適切な対応をとるとの信頼度は,中国に対する好感度と多くの点で似通っている:
・信頼度が最も高いのはパキスタン,最も低いのは日本とイスラエルである。
・富裕な国ほど,彼のリーダーシップに対する肯定的な見方は少なくなっている。
・近年,多くの地域で習への信頼感が高まっている。
・一部の国では,高齢者や保守層に比べ,若年層やリベラル層の方が習を信頼する傾向がある。
最近になって評価が上向いているとはいえ,習への支持率は依然として比較的低い水準にある: 調査対象となった37ヶ国のうち,彼を肯定的に見ている国民が半数以上に達したのは11ヶ国にとどまる。それでも,20ヶ国近くにおいて,習への信頼度はトランプへの信頼度を大きく上回っている。
Is China seen as respectful of the personal freedoms of its people?
中国は国民の個人的な自由を尊重していると見なされているだろうか?
我々は10年以上にわたり,中国政府に対する見方,とりわけ同政府が国民の個人的な自由を尊重しているかどうかという点について調査を続けてきた。
概して言えば,この点において中国は肯定的に評価されていない。調査対象となった37ヶ国のうち,国民の個人的な自由を中国政府が尊重していると回答した人が半数以上に達したのは,わずか11ヶ国にとどまる。北米,欧州のほぼすべての国,日本,韓国,オーストラリアでは,およそ4分の3以上の人々が、中国政府はこうした自由を尊重していないと回答している。
一部の地域では,高齢層に比べて若年層の方が,中国政府は個人的な自由を尊重していると考える傾向が見られる。例えば,英国では35歳未満の成人の30%がそう考えているのに対し,50歳以上の層ではその割合は13% にとどまる。
一部の国では,前回調査時と比べて,こうした見方をする人の割合がわずかに増加している。例えばスペインでは,中国が国民の個人的な自由を尊重していると答えた人の割合が,2021年の10%から現在は19%へと上昇した。
個人的な自由の尊重という点では,中国よりも米国の方が肯定的に見られている。しかし,米国政府が国民の個人的な自由を尊重していると考える人の割合は,数年前と比べて減少している。
China’s image in middle-income countries / 中所得国における中国のイメージ
近年,中国の外交政策は中所得国を重視する傾向を強めている。例えば,中国はブラジルやペルーと緊密な経済・安全保障関係を築き,パキスタン,アルゼンチン,インドネシアなどの国々に対して主要な資金提供者となっているほか,トランプ政権に対抗する形でアフリカにおいて関税ゼロ政策を推進してきた。
こうした状況を踏まえ,我々は17の中所得国を対象に,中国の外交政策上の役割や,世界的なアクター(主体)としての中国がどのように認識されているかについて追加調査を行った。その結果,中所得国における中国のイメージは概して良好であることが明らかになった:
・多くの人々が,中国を信頼できるパートナーだと述べている。
・「中国は世界の平和と安定に貢献している」と考える人の方が,「貢献していない」と考える人よりも多くなっている。
・多くの人が,中国は外交政策を決定する際,自国のような国々の利益を考慮に入れていると考えている。
一方,中国が他国の内政に干渉しているかどうかについては,見方がやや分かれている。「中国は他国に干渉している」と回答した人の割合は,スリランカの68%から トルコの19%まで幅がある。
地域によって多少のばらつきが見られる: アジア太平洋地域やサハラ以南のアフリカの成人は,ラテン・アメリカやトルコの成人と比較して,これらの指標において中国に対してより肯定的な見方をする傾向がある。例えば,パキスタン,スリランカ,ケニアでは,回答者の約4分の3以上が,中国は国際的な政策決定を行う際に自国のような国の利益を考慮に入れていると答えているが,コロンビアでは28%,トルコでは16%がそう答えるにとどまっている。
アジア太平洋地域の中で,インドとフィリピンは例外的な傾向を示している。他のアジア太平洋諸国では10人中7人以上(過半数)が中国を信頼できるパートナーだと見なしているのに対し,フィリピンでは 42%,インドでは 33%しかそう答えていない。
我々は過去にも,特定の国々でこれらの質問をいくつか実施してきた。見解の変化に目を向けると,アルゼンチン,インドネシア,ケニア,メキシコ,南アフリカなど一部の国では,近年と比べて,中国が他国の利益を考慮していると答える人の割合が増加している。ケニアや南アフリカでは,中国が世界の平和と安定に貢献していると答える人も増えている。ただし,タイ,インドネシア,フィリピンといった中国近隣諸国では,これとは逆の傾向が見られる。
ブラジル,メキシコ,ナイジェリアでは,中国が他国の内政に干渉していると答える人の割合が減少している。特筆すべきは,調査対象となったこれら17の中所得国のいずれにおいても,「中国が他国の内政に干渉している」と答える人の割合が,「米国が他国の内政に干渉している」と答える人の割合を上回る国は一つもなかったという点である。
(転載了)
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日本人が 中国・習に対して 全ての項目で,調査対象国で最も否定的な回答をしているのが象徴的です。
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