米軍オスプレイ,墜落寸前事故で 再度 飛行停止
‘Air Force Times’,Dec.10,2024付け
“Military pauses Osprey flights again after near crash”
「米軍,オスプレイの飛行を再び停止,墜落寸前」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
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国防総省は,V-22オスプレイの飛行を再び一時停止する。劣化した(weakened)金属部品が別の墜落未遂(near crash)事故の原因となった可能性があるためで,安全上の問題が拡大している苦境に立たされている(embattled)この航空機にとって,新たな痛手(setback)となった。
軍用オスプレイ計画を統括する海軍航空システム司令部(Naval Air Systems Command)のカール・チェビ中将が先週,「十分な注意を払って(out of an abundance of caution)」飛行停止を勧告したと,司令部報道官のマーシャ・ハートは述べた。
海兵隊,海軍,空軍はそれぞれ AP通信への声明で,推奨されている休止に従っていると述べた。海兵隊は,休止は金曜日に始まり,月曜日まで続くと述べた。他の軍は,金属の破損(metal failures)の原因を調べるため,休止期間を延長すると見込まれている。
先月,AP通信が発表したオスプレイに関する詳細な調査では,過去 5年間で安全性の問題が増加し,部品が予想よりも早く摩耗し(wearing out),機体自体の設計が多くの事故に直接影響していることが判明した。オスプレイはヘリコプターのようにも飛行機のようにも飛行できる。
この報告を受けて,議員らはロイド・オースティン国防長官(Defense Secretary)に書簡を送り,AP通信が指摘した安全性と設計上の問題に対処するための解決策が講じられる(put in place)までオスプレイ機群を再び地上に留めるよう要請した。
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11月20日にニュー・メキシコ州キャノン空軍基地で発生した最新の事故は,昨年11月に日本沖で発生し,空軍特殊作戦司令部(Air Force Special Operations Command)隊員8名が死亡した事故と類似している。
日本での事故では,オスプレイのトランスミッション内部の重要なギアに使用されている金属に不純物(inclusions) -または弱点(weakened spots)- が混入したために,飛行中にギアが壊れ,機体に連鎖的な(cascading)壊滅的な故障が発生した。当時,乗員は故障の深刻さに気付かず,すぐに着陸しなかった。
日本での致命的な墜落事故から得た教訓が,今回の緊急事態で人命を救ったかもしれない。調査はまだ完了していないが,キャノンでの飛行の乗員は離陸直後に同様の警告を受け,エンジンが停止したが,オスプレイを素早く地上に戻して生き延びることができた。
キャノンでの破損した部品の初期調査では,同様の金属の弱点が影響した可能性があるが,日本の墜落事故で破損した部品とは異なる部品であったことが判明した。
NAVAIR(Naval Air Systems Command:海軍航空システム・コマンド)の勧告に基づき,空軍特殊作戦群司令官のマイケル・コンリー中将はオスプレイの訓練飛行を一時停止するよう指示し,「これにより何が起こったのか理解する時間と余裕ができた。」と司令部広報担当のベッキー・ヘイズ中佐は声明で述べた。
問題の金属は ‘X-53 VIMVAR’(*VIMVAR:真空二重溶解(ダブルメルト)材,不純物成分を極限まで低下させた高品位な材料)と呼ばれる。日本での墜落事故では,調査官らは,破損した金属ギアに複数の介在物,つまり製造工程中に混入した異物によって生じた金属の微細な弱点があることを発見した。これらの弱点は疲労亀裂につながる可能性がある。
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日本の墜落事故後,調査官らは,同じ金属の弱点が原因と思われるギアの亀裂事故がこれまでに7件あったと報告した。
それ以来,軍と,テキサス州アマリロの工場でトランスミッション・システムの製造とオスプレイの組み立てを行っているベル・フライト(Bell Flight)は,その金属をより強くする方法を強く求めてきた(pressed for)。
軍がオスプレイの飛行を開始した30年前から,墜落事故で64人が死亡,93人が負傷している。日本の自衛隊は,オスプレイが離陸中に激しく傾いて地面に衝突したため,10月に再び一時的に機体を地上待機にした(grounded)。
(転載了)
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どの部分のギアか不明ですが,トランスミッション - エンジンからプロペラに回転を伝達する部分のようです ― それにしても エンジンが停止したこととは辻褄が合いません。
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