‘GQ’ 電子版,Nov.27,2025付け
“The Best James Bond Movies, Definitively Ranked”
「最高のジェームズ・ボンド映画,決定版ランキング」
のタイトル記事を 下記,拙訳・転載します。
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The basic-cable marathon may be a thing of the past, but don't let that stop you from spending the American holiday weekend with Britain's greatest superspy.
ケーブルテレビで一気に観るのはもう過去のことかもしれない。だが,英国最高のスーパースパイで米国のホリデー・ウィークエンドを過ごすのを諦める必要はない。
夏の大ヒット映画文化が複合映画館(multiplex)に押し寄せる(あるいは生み出す)10年以上も前から,ジェームズ・ボンド映画はそうした文化の先駆け(presaged)だったと言えるかもしれない。しかし,少なくとも米カ国民の一部にとっては,ジェームズ・ボンド映画は常に感謝祭と結びついている。33年間,(主に)夏っぽい(summer-ish)作品と(時折)クリスマスっぽい(Christmas-ish)作品を交互に公開してきた英国のスーパースパイ,ジェームズ・ボンドは,1995年の感謝祭シーズンに公開されたピアース・ブロスナン主演の『007/ゴールデンアイ(Goldeneye)』で90年代にカムバックした。
それから30年間のボンド映画のほとんどは11月に米国で公開されており,12月公開(『タイタニック』と対決!)の1本と10月公開(当初の11月の公開から予定がCOVIDの影響で約2年延期)は1本だけである。さらに,1990年代から2000年代にかけて,さまざまなケーブル・チャンネルが感謝祭シーズンのボンド・マラソンをホリデー・シーズンの定番とし,新作が劇場公開されないときでもシリーズを頻繁に放映し続けた。
ボンド自身は感謝祭を祝わないだろうし,おそらくアメリカ本土での非公式任務(unsanctioned mission)中でさえ祝わないだろうことを考えると,これは奇妙な取り決めと言えるだろう。とはいえ,伝統に異論を唱える筋合いはない。感謝祭をテーマにした素晴らしい映画をいくつかお勧めすることはできるが,ボンド映画のプレイ・リストを作るのも,それと同じくらい,あるいはそれ以上に,心地よいものになるだろう。ベスト・ジェームズ・ボンド映画マラソンを企画するにしても,あまり評価されていないボンド映画にも同等の時間を割く007時代ツアーを企画するにしても・・・。
Amazonのボンド映画新オーナーによる公式ストリーミング・サービス,‘Prime Video’は,この感謝祭の伝統を理解しているようで,11月末までEon制作のボンド映画をすべて配信している。‘Prime Video’で恒久的な配信先を見つけていないのは少し奇妙だが、ストリーミングの許可は殺害の許可よりも価値があるのかもしれない。
今のところ,ボンドは感謝祭のために帰省中だ。記憶の中のボンドとほぼ同じ姿で,もしかしたらもっとカッコよくなっているかもしれない。両親のモーション・スムージングをオフにできれば,もっとカッコよくなっているかもしれない。‘Prime Video’ のCMがあっても,TBSの4時間CM付き番組(the four-hours-with-ads)よりは効率よく見られる。さあ,テレビをつけて,『サンダーボール作戦』の60周年,『007 美しき獲物たち』の40周年,『ゴールデンアイ』の30周年,『スペクター』の10周年 ― いずれも今年記念すべき節目― を祝ってみてはいかがだろうか?
最高のボンド映画は,お皿いっぱいの詰め物のように満足感があり,最低の作品でもなかなか美味しいパイだ。このランキングには,変わったサイド・ディッシュをお探しの方のために,イアン・フレミングの小説を原作とした(ある意味)イーオン・プロダクション(Eon production)以外の2作品も加えた。(最後の単語は,ショーン・コネリーの下手なモノマネで発音してみてもいいだろう。)
(*Best 5 のみ 解説添付,他は省略)
27.Casino Royale(007/カジノ・ロワイヤル) (1967)
26.A View to a Kill(007/美しき獲物たち) (1985)
25.Octopussy(007/オクトパシー)(1983)
24.Licence to Kill(007/消されたライセンス) (1989)
23.Live and Let Die(007/死ぬのは奴らだ) (1973)
22.For Your Eyes Only(007/ユア・アイズ・オンリー) (1981)
21.The Man with the Golden Gun(007/黄金銃を持つ男) (1974)
20.Diamonds Are Forever( 007/ダイヤモンドは永遠に) (1971)
19.Spectre(007 スペクター) (2015)
18.Never Say Never Again(ネバーセイ・ネバーアゲイン) (1983)
17.You Only Live Twice(007は二度死ぬ)(1967)
16.Goldeneye(007/ゴールデンアイ) (1995)
15.The Living Daylights(007/リビング・デイライツ) (1987)
14.The World is Not Enough(ワールド・イズ・ノット・イナフ) (1999)
13.Quantum of Solace(007/慰めの報酬) (2008)
12.Moonraker(007/ムーンレイカー) (1979)
11.Die Another Day(007/ダイ・アナザー・デイ) (2002)
10.Dr. No(007/ドクター・ノオ,公開時は 「007は殺しの番号」) (1962)
9.The Spy Who Loved Me(007/私を愛したスパイ) (1977)
8.No Time to Die(007/ノー・タイム・トゥ・ダイ) (2021)
7.Thunderball(007/サンダーボール作戦) (1965)
6.Tomorrow Never Dies(007/トゥモロー・ネバー・ダイ) (1997)
5.On Her Majesty’s Secret Service(女王陛下の007) (1969)

ジョージ・レーゼンビー(George Lazenby)がジェームズ・ボンド役で一度だけ出演したという作品は,かつては取るに足らない存在と目新しい存在の狭間にあると考えられていた。21世紀に入り,クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)やスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)といった監督たちの活躍によって,その評価は後者へと傾き,ひょっとすると「目新しい(novelty)」というレベルを超えて「過大評価されている(kind of overrated)」というレベルにまで落ち着くかもしれない。しかし,多くの人がこの作品をナンバーワンに挙げるという意味では過大評価されていると言えるだろう。しかし,ボンドという作品全体を見れば,これは依然として意外なハイライトと言えるだろう。
奇妙なことに,これはレーゼンビー自身とはあまり関係がない。彼は役柄に馴染む機会を得られなかった唯一の男として,全く申し分なく描かれている。むしろ,過去のコネリー作品の編集を担当し,長年このシリーズに携わってきたピーター・ハント(Peter Hunt)監督が,この映画製作,特に雪の中でのアクション・シーンに持ち込んだスタイル感覚によるものである。
ボンドとトレイシー(素晴らしいダイアナ・リグ(Diana Rigg))の関係にも,異例の深みがある。トレイシーはボンドの妻となるが,これは数少ない悲劇的な結末を迎えるボンド映画の一つだ。演技初心者が主演する,期待外れの結末(bummer-ending)のボンドを史上最高傑作と評価するのは難しいが,それでも非常に素晴らしい作品であり,ボンド・マラソンの一環として,あるいはさらに良いことに,大画面でのリバイバル上映として,探してみる価値がある。
4.Skyfall(007 スカイフォール) (2012)
一見すると、ダニエル・クレイグ時代のほぼ連続した最初の2作から,不可解な(baffling)方向転換をしているように見える。ジェームズ・ボンドの新たなオリジン・ストーリーが展開された後,『スカイフォール』は、ボンドの任務が危うくなり,我らが主人公が遠くに引き離され(left for dead),その機会を利用して燃え尽きたように見える任務から引退するところから始まる。しかし,実際には彼の活躍はそれほど多くない。
同時に,Q,Moneypenny(Mの秘書),そして新たなMの登場によって,オリジンに関する要素がさらに深まり,エンディングではジェームズが永久にボンドになるという展開になる。クレイグの任期も半分以上が経過し,その後少なくとも一度は引退が待っている。
見事な策略(gambit)だ!しかし,確かに,これは素晴らしい。本作が構造的に意味をなさない点(少なくとも,同時代の 『スター・トレック』や『X-MEN』といった,前日譚が多すぎるもののエンターテイメント性の高い作品と共通点)は、サム・メンデス監督とロジャー・ディーキンス撮影監督の洗練された演出によって,その効果を補われている。彼らは豪華なロケ地を余すところなく捉え,クレイグの世俗への倦怠感は,彼のボンドが多くの作品で反逆者になったり,引退したり,あるいは死んだりするという事実を巧みに描き出している。
本作は、オスカー受賞のアデル(Adele)のテーマ曲,ハビエル・バルデム(Javier Bardem)の不気味な(creepy)悪役(villain)ぶり,ジュディ・デンチ(Judi Dench)演じるMへの送別劇(send-off)(ブロスナン時代から魔法のように,そしてありがたいことに引き継がれている),そしてナオミ・ハリス(Naomie Harris)によるMoneypennyの見事なフィールド・バージョンなど,スター揃いの作品で、まさに最もゴージャスでエンターテイメント性の高いボンド映画の一つと言えるだろう。ディーキンスが上海のネオンを撮影している以上、ダーク・ナイト化の要素は許容範囲を超えるだろう。観客を喜ばせる要素と重厚感を併せ持つこの映画は、21世紀の新たなボンドを作ろうとするアマゾンにとって,間違いなく夢にまで出てくる作品だ。これに続く作品はなかなか見つからないだろう。
3.Goldfinger(007/ゴールドフィンガー) (1964)
『ゴールドフィンガー』について,これ以上何を言う必要があるだろうか?40歳以上の人なら,「ジェームズ・ボンド映画を想像してみて」と聞かれれば,まず間違いなく思い浮かべるであろう映画だ。しかし,一歩引いて見てみると,究極のボンド映画,誰もが認める最高のボンド映画という印象が強くなる,『カサブランカ』や『市民ケーン』がアメリカ映画最高傑作の座に容易に選ばれるのと同じように。ただ,手下(henchmen)が増え,金色に輝く女性が増えただけだ。
ロケ地も増え,ガジェットも増え,『プッシー・ガロア(Pussy Galore)』のような馬鹿げた名前も増えた…1964年の前作と比べて,どれほど豪華絢爛(lavish)で,あるいは華々しくダサく(gloriously tacky)見えたか想像してみてほしい。『ゴールドフィンガー』で最も注目すべき点は,もしこれが史上唯一のジェームズ・ボンド映画だったとしても,同じように多くの言及があり,もしかしたらもっと愛されていたかもしれないということだろう。
2.From Russia with Love(007/ロシアより愛をこめて,公開時は「007/危機一発」) (1963)
『ドクター・ノオ』はボンドのフォーミュラから大きくかけ離れているため,現代の目には新生(nascent)のように見える。『ロシアより愛をこめて』は 『ゴールドフィンガー』のような作品へと一歩前進したと言えるだろう。正直に言うと,その中間地点こそが,コネリーの任務 ― 暗号装置の盗難に役立つ情報を得るためにソ連の事務官(clerk)が西側へ亡命するのを手助けする ― を観る楽しみを損なうことなく,本作をやや無駄を省き,意外性を高めた作品にしていると言えるだろう。
もちろん,これは罠であり,人間規模の陰謀を描いた(cloak-and-dagger)要素は,洗練されたアクションと絶妙なバランスで融合されている:列車内でボンドがグラント(ロバート・ショウ)と繰り広げる死闘(knock-down drag-out fight to the death)は,このシリーズが何十年も追い求めてきた最高傑作だ。本作のようなボンド映画をもっと観たいと切望するのは容易だが,本作が何年も経った今でもこれほどまでに素晴らしい出来栄えになっているのは,その後のボンド映画がいかにスケールが大きく,クレイジーになったかということも指摘しておかなければならない。おそらく,この踏み石が実質的な頂点でもあることに,何年もの間,見落としやすかったのだろう。
1.Casino Royale(007/カジノ・ロワイヤル) (2006)
ショーン・コネリー主演以外のジェームズ・ボンド映画を最高傑作に挙げ,しかも事実上の(de facto)オリジン・ストーリーにするのは冒涜(blasphemy)のように思えるかもしれない。しかし,『ボンド・ビギンズ(Bond Begins)』を制作することは,長年積み重なってきた儀式的な(ritualized)過剰要素を巧みに削ぎ落とす方法であることがわかった。
マーティン・キャンベル監督は、洗練された白黒のプレクレジット・シーケンスでダニエル・クレイグを登場させる。その力強さ(muscularity)は 『ゴールデンアイ』からは程遠く,逆説的に魂を揺さぶる冷徹さ(soulful chilliness)は ダルトン以来 (そして,そう,コネリー以来)見られなかった。
アクション・アドベンチャー映画がスーパーヒーローの世界に飛び込もうとしていたまさにその時,過去の作品のほとんどよりも感情的に複雑でありながら,同時代の気の利いた(quippily)競合作品のほとんどよりもレトロな魅力(retro-charming)を備えたボンド映画が登場した。
それとも,これは単にクレイグと輝くエヴァ・グリーン(Eva Green)への「目がハートの絵文字(heart-eyes emoji)を表現するための,長ったらしい言い訳(long-winded way)なのだろうか? いずれにせよ,二人は本作で本当に燃え上がる(combustible)ペアだ。ボンドが,ファンが期待するほど頻繁に多くの女性と関係を持つこと(bed-hopping)がないとしても,言い訳(cop-out)にはならない。
本作は,ボンドのMI6からの初めての引退(そして,もちろん,ヴェネツィアの運河に崩れ落ちる建物)を描いた,長く感情に突き動かされる,比較的本質的意味を持つフィナーレを,特大のボンド上映時間の中で構成的にうまく利用している。
本作は,他のフランチャイズがボンドのリフレッシュ,復活,やり直しのアプローチを盗んでいた時代に登場した,非常に豊かで,構成もしっかりしており,満足のいくリブート作品だ。いつものボンドが他のフランチャイズから少しずつ盗むのではなく,かつてのボンドのやり方を真似していた時代だ。「誰も真似できない」という古い格言が真実味を帯びた、数少ない例の一つだ。
(転載了)
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文章が長く,表現が難しく 正しく訳せたか自信がありません,ご容赦。
中学2年生から リアルタイムで公開される007映画を観てきた私としては 1位と2位に異議はありません。
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