カテゴリー「映画・テレビ」の730件の投稿

2025年11月 5日 (水)

映画『アイランド』のラスト・シーンの高速艇は?

NHK BSで 『アイランド』(‘The Island’,2005)を観ました。
時代は 2019年,長生きを望む富裕層を対象に,彼らに移植する臓器を準備するため 発注者のクローンを作る工場が舞台です。
クローンは 生まれてからの架空の記憶が埋め込まれて 自身はクローンである自覚はなく,汚染された外界から隔離され,閉鎖されたた空間で生活していると思っています。
唯一の希望は 汚染を免れた自然豊かな美しい島,夢のアイランド行きの抽選に当たって外に出ることですが,その時は,発注者がその臓器を必要とした時です。

主役はクローンで,あることから真実を知ります。

・・・

ラスト・シーンは海を走る高速艇です。

001_20251030114701
003_20251030114701

この高速艇は 2005年に考えた,2019年の未来世界に存在するであろうデザインのものでしょうが,CGには見えないので 撮影当時 実在したものであろうと 検索すると ー ありました。

サイト ‘GRANTURISMO(Published 2023-02-17)
Wallypower 118 - the coolest luxury yacht in the world
と題する記事がありました。
下記,拙訳・転載します。

**********************
Wallypower 118” は,2005年の SFスリラー映画 『アイランド(The Island)』に登場して大きな注目を集めた豪華ヨットである。イタリアのヨットメーカー,‘Wally Yachts社によって設計・建造され,2006年に進水した。スピード,スタイル,そして快適さを兼ね備えた,超近代的で豪華な船である。

映画『アイランド』では,“Wallypower 118はショーン・ビーン演じる主人公の敵役,ドクター・メリックの専用ヨットとして登場する。映画のSFテーマにふさわしい,洗練されたスタイリッシュな未来的なデザインで,印象的なヨットとして描かれている。

全長は118 ft(約36 m)、全幅は26 ft(約7 m),喫水は5 ft(約1.5 m)。5つの客室に最大10名のゲストが宿泊でき,クルーは6名。このヨットは3基のガス・タービンを搭載し,合計16,800馬力を発生し,最高速度は60ノット(時速約112キロ)に達する。外洋で最速のヨットの一つと言える。

A01_20251030114701
A02_20251030114801

洗練されたラインとミニマルなスタイルが際立つ,印象的でユニークなエクステリア・デザインである。上部構造はカーボン・ファイバー製で,ヨットの軽量化と驚異的なスピードアップに貢献している。革新的な推進システムには,従来のプロペラに代わるウォーター・ジェットが採用されており,スピードと操縦性の向上に貢献している。

インテリアも同様に印象的で,外観と同様に現代的なミニマル・デザインが施されている。メイン・サロンには床から天井まで届く窓があり,周囲の海の景色を一望できる。最先端のエンターテイメント・システムには,プラズマ・スクリーン,衛星テレビ,サラウンド・サウンド・システムが備わっている。マスター・スイートはメイン・デッキにあり,キング・サイズ・ベッド,専用バスルーム,プライベート・バルコニーを備えている。ゲスト・キャビンは下層デッキにあり,同様のアメニティと豪華な仕上げが施されている。

A03_20251030114801

ヨット界の象徴的存在となったこのヨットは,その未来的な(futuristic)デザインと先進技術で高く評価されている。『アイランド』 では,“Wallypower 118” は究極のパワーとラグジュアリーの象徴として描かれ,主人公のキャラクターを的確に表現している。

結果として,このヨットは世界中の人々の心を掴んだ,まさに驚異的なヨットである。その特徴はヨット界において際立った存在であり,ハリウッド映画への登場は,その神秘性をさらに高めている。

A04_20251030114801
A05_20251030114801
A06_20251030114801

Wallypower 118” の価格は,ガス・タービン3基搭載モデルで3,300万米ドル,ディーゼル2基搭載モデルで2,200万米ドルである。航続距離は,時速9ノット(17km/h)で1,500海里(2,800km),時速60ノット(110km/h)で300海里(560km)。燃料容量は22,000リットル(5,800米ガロン)。最高速度60ノット(110km/h)では,ガス・タービンは1海里あたり15米ガロン(58リットル),1時間あたり900ガロン(3,500リットル)の燃料を消費する。この船は,ハイブリッド構造を採用した高度な建造技術によって軽量化を実現し,排水量はわずか95トンに抑えられている。乗客6名と乗組員6名を収容可能である。

Wallypower 118” の最終的な価格は,利用可能なカスタマイズオプションにより、基本価格よりも大幅に高くなる可能性があることにご注意ください。ヨットのオーナーは、内装仕上げ、素材、技術アップグレードなど、幅広いオプションから選択できますが、これらはすべてヨットの価格に加算される可能性がある。

(転載了)
********************
36mの船体で 60ノットの最大速度は信じ難い値です。
現存する最速の魚雷艇でも 50ノットです。

排水量型では不可能で 滑走型と思われますが36mの船長で?
2005
年公開の映画に2006年 進水した船― というのは?

| | | コメント (0)

2025年9月16日 (火)

黒澤映画を 米国映画関係者が語る。

男性総合誌 GQ の米国電子版GQ-US CultureAugust 21, 2025付け
Where to Start With Akira Kurosawa
「黒澤明作品はどこから始めようか」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。

********************

001_20250827152301

Bill Hader, director Oliver Hermanus and other Kurosawa enthusiasts pick must-see and deep-cut films by the Japanese master who inspired Spielberg, Lucas, and Spike Lee’s ‘Highest 2 Lowest.’
ビル・ヘイダー,オリバー・ハーマナス監督,そして他の黒澤ファンが,スピルバーグ,ルーカス,そしてスパイク・リーの『天国と地獄(Highest 2 Lowest)』にインスピレーションを与えた日本の巨匠,黒澤明の必見作品と奥深い作品を選ぶ。

スパイク・リー(Spike Lee)監督の話題作『天国と地獄(Highest 2 Lowest)』が劇場で大ヒット上映中。今こそ,本作の原作となった1963年の『天国と地獄(High and Low)』を手がけた日本の巨匠,黒澤明監督を改めて見つめ直す,あるいは深く知る(get acquainted with)絶好の機会だ。

巨匠の50年にわたるキャリアは第二次世界大戦中に始まり,90年代初頭まで続いた;彼の一連の作品(body of work)はアクション大作(『七人の侍』)から刑事モノ(police procedurals)(『天国と地獄』),ヒューマニズムドラマ(『生きる』)まで多岐にわたり,その質は多様性に富みながらも揺るぎない一貫性(unwaveringly consistent)を保っている。

「黒澤はサムライ映画というジャンルを高め,アクション映画製作を革新した。シェイクスピア,ロシアの古典,そしてアメリカのパルプ小説を翻案し,戦後日本の激動の(tumultuous)街を,高揚感から絶望(uplift to despair)まで幅広い感情を交えて描いた」と,映画評論家のデニス・リム(Dennis Lim)は2009年,黒澤生誕100周年(Kurosawa’s centenary)を記念してロサンゼルス・タイムズ紙に寄稿したエッセイで述べている。「しかし,彼の映画に一貫して貫かれていたのは英雄主義の原理だった。それは漠然とした理想(vaporous idea)ではなく,生き方であり,英雄的な行動が必ずしも報われず,許されることさえない世界における,個人の主体性(individual agency)と責任の自覚だった。」

東京生まれの黒澤監督は,西洋で重要かつ永続的な成功を収めた最初のアジア人映画監督でもあり,『羅生門(Rashomon)』は1951年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞し,『乱(Ran)』は1986年のアカデミー賞で監督賞にノミネートされた。 1990年,黒澤明監督にアカデミー生涯功労賞(Academy Award for Lifetime Achievement)を授与したジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグは,彼を「存命の映画監督の中で最も偉大な人物」であり,「このメディアで活躍した数少ない真の先見者(visionaries)の一人」と称した。

GQ誌は,リムを含む4人の “Kurosawa heads”(黒澤マニア) に,巨匠の幅広い作品の中から特におすすめの作品について尋ねた。「本当に難しい質問だ。」と,フィルム・フォーラムのレパートリー・プログラマー(repertory programmer),ブルース・ゴールドスタイン(Bruce Goldstein)はインタビューの中で語った。「史上最高の映画体験と言える作品が34本ある。」

002_20250827152301

Bill Hader(ビル・ヘイダー)
Creator and star of HBO’s Barry(クリエーター,HBO局「バリー」主演)

俳優,コメディアン,そして監督として活躍する彼が初めて黒澤明監督の作品に出会ったのは,1980年代後半,11歳の時,ケーブル・テレビの映画チャンネル ‘Cinemax’ でのことだった。「80年代後半から90年代初頭にかけて,‘Cinemaxには ‘Video Vanguard’ というコーナーがあって,そこではフェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』やジャン・コクトー監督の『美女と野獣(Beauty and the Beast)』といったアートハウス映画(arthouse films)が放送されていた。」と彼は語る。そしてついに『羅生門(Rashomon)』を観て,黒澤明監督の作品との生涯にわたる恋(lifelong love affair)が始まった。

「彼の映画は,映画製作のあらゆる側面が10点満点だ。」と彼は言う。「彼は真の劇作家(dramatist)だ。脚本(screenplays)を見ればそれが分かる。彼の映画は,物語の語り方,それぞれのシーンが次のシーンにどのように繋がっていくのかを研究するためだけに,何度も何度も見返せる。すべてのシーンに目的があり,理由もなくそこにいるキャラクターは一人もいない。登場人物全員 そして全てが 後で再び登場する映画をミュートにして観ても,シーンで何が起こっているのか理解できる。」

最初に観るべき作品:「難しい(tough)質問だ。一つだけ選ぶのは難しい。犯罪が好きなら『天国と地獄(High and Low)』,アクションが好きなら『用心棒(Yojimbo)』か『七人の侍(Seven Samurai)』。ただ良いドラマ(good drama)が好きなら『羅生門』,『生きる(Ikiru)』,『酔いどれ天使(Drunken Angel)』,『野良犬(Stray Dog)』だね。」

しかし,ヘイダー監督の個人的なお気に入りは『生きる』だ。「あの映画は素晴らしい(marvel)。」と彼は言う。「感傷的な映画ではないところが本当に素晴らしいと思う。あの映画をとてつもなく感傷的にするのは簡単だっただろう。」

次に観たいもの:『赤ひげ(Red Beard)』と『デルス・ウザーラ(Dersu Uzala)』。「『赤ひげ』は素晴らしい映画だと思うが,最初に観るのはおすすめしない。彼が70年代に制作したロシア映画『デルス・ウザーラ』は美しい作品だ。基本的には冒険物語である。」

003_20250827152301

Dennis Lim(デニス・リム)
Artistic director of the New York Film Festival(ニューヨーク映画祭の芸術監督)

リムは初めて黒澤明監督の作品を観たときのことをはっきりと覚えていない。しかし,それは記憶に残らなかったからではなく,むしろ,彼の映画人生(moviegoing life)において,黒澤監督の作品群が深く関わっているため,黒澤監督は常にそこに存在していたように感じるのだ。「黒澤監督は間違いなく,私が最初に発見したアートシアター系の映画監督(arthouse filmmakers)の一人だ。」とリムは言う。「1980年代後半から90年代初頭,ティーンエイジャーの頃,VHSで観て,その後はレパートリー上映(repertory screenings)で観た。」

「黒澤監督の作品は,ほとんどの作品が入手可能な点で珍しいかもしれない。」と,インタビュー当時は今年のニューヨーク映画祭の準備で忙しかったリムは言う。「彼は,再発見される必要に迫られた時期がなかった。常に20世紀映画界の巨匠(titans)であり、主要人物(major figures)の一人だった。」

最初に観るべき作品:『羅生門』。 彼は実に様々なタイプの映画を制作しているので,象徴的な(emblematic)作品を挙げるのは少し難しい。もちろん,サムライ映画やその翻案,そして戦後の現代日本を描いた作品も作った。しかし,『羅生門』という言葉が語彙に加わったのは,それなりの理由があると思う。彼のフィルモグラフィーへの素晴らしい入り口だと思う。おそらく,映画自体が様々な入り口を提供しているからだろう。『羅生門』は彼の代表作の一つである。

その後のおすすめ:『野良犬』。 「あの作品はずっと好きだった。あの時代の映画,40年代の『酔いどれ天使』,『野良犬』などは,ネオリアリズムと同時代的(contemporaneous)雰囲気があって面白いと思う。これらの,ほとんど低俗で(pulpy),陰気な(noirish)映画を通して,戦後直後の東京の雰囲気を真に感じることができる。そういう作品も入門編としていいと思う。古典には古典というだけの理由があるのだが,彼は長いキャリアを通して,驚くほど高いレベルの映画制作を続けた監督である。」

004_20250827152301

Oliver Hermanus(オリヴァー・ハーマナス)
Filmmaker behind this fall’s History of Sound and the 2022 Kurosawa remake Living
(今秋公開の ‘History of Sound’ と2022年公開の黒澤明のリメイク版『生きる(Living)』の監督

南アフリカ出身のこの映画監督が初めて黒澤明監督に出会ったのは,映画学校1年生の,1950年,サイコ・スリラー映画『羅生門』を観る課題を与えられた時だった。「映画学校に行くと,いつも『あなたは黒澤派?それとも小津派?』と訊かれたものだ。」とハーマナスは言う。

彼は常に小津派だと自認していたが(「彼はこの作品をよりヒューマニズム的なものにした」),警察小説とフラッシュ・バックを融合させた家族ドラマ『天国と地獄』を観て,最終的に黒澤明監督に傾倒した。ハーマナス自身の国際的なブレイクは,黒澤監督の名作映画によって実現した。2022年に,『生きる(Ikiru)』をリメイクし,オスカー候補のビル・ナイ(Bill Nighy)を起用したドラマ『生きる(Living)』を制作した。

最初に観るべき作品:『七人の侍』。 「ぜひ,隅々まで体験してください。彼のスタイルの基本だと思う- 寓話(allegorical),名誉(honor),勇気(valor),侍,暴力。彼はまさに全力で取り組んでいる(He's kind of firing on all cylinders there.)。彼がやること全てを,あの映画の中でやっている。あのトーン(tonality),あのビジュアル,あのスケール感は、本当に刺激的でした。スピルバーグ,スコセッシ,コッポラといった70年代の若いアメリカの映画監督たちにインスピレーションを与えた理由がよく分かる。」

ディープ・カットのおすすめ:『夢(Dreams)』。「非常に野心的な作品である。第三の場所にいる映画監督。プレイステーションの広告を覚えているだろうか?プレイステーションが持っていた,もう一つの場所というアイデアだった。多くの映画を作り続けてきた中で,第三の場所に到達し,誰も到達したことのない悟りを開いた境地にたどり着いた映画監督はごくわずかだと思う。まるで『夢』が黒澤明監督がそこに到達した時のように感じる。」

005_20250827152301

Bruce Goldstein(ブルース・ゴールドスタイン)
Repertory programmer of Film Forum and founder of Rialto Pictures
(フィルム・フォーラムのレパートリー・プログラマーであり,‘Rialto Pictures’ の創設者)

ニューヨークのアートハウス・シアター ‘Film Forum’ では,夏の間中,「黒澤明監督4K」プログラムを開催し,監督作品の中でも特に影響力のある全作品(oeuvre)を上映している。例年スーパーヒーローもののポップコーン映画が主流のこのシーズンだが,予想に反して(against all odds)多くの上映作品が完売し,ニューヨークで夏のトップ・シネマ・イベントの一つとなっている。

このシリーズの制作者ゴールドスタインは,最近友人から聞いた話をこう語ってくれた:「彼が映画館にいた時,後ろで二人の男が話しているのが聞こえた。一人がもう一人に『この間,『七人の侍』を見たんだ』と言った。するともう一人が『どうだった?』と訊くと,『あまり好きじゃなかった』と答えた。『どこで見た?』と訊かれ,『iPhoneで。』と答えた」。ゴールドスタインは,‘Film Forum’ や,1997年に共同設立した配給会社 ‘Rialto Pictures’ での活動を通して,まさにこの問題を解決しようと尽力している。「テレビでこれらの映画を観ても,劇場で観たときのような迫力はない」。

まず観るべき作品:『七人の侍』。これ以上素晴らしい映画体験はないと思う。しょっちゅう訊かれる。『一番好きな映画は? 史上最高の映画は?』って。そんなくだらない質問ばかり。一体どう答えればいいんだ? 一番好きじゃない映画は『市民ケーン(Citizen Kane)』だ。

スケール,想像力,視覚的な興奮,そして感動のすべてにおいて,『七人の侍』にはかなわない。何度も何度も観たけど,本当に素晴らしい。4時間もあるのに,彼はそれをずっと持続する。『七人の侍』には無駄な(superfluous)ショットが一つもない。最高の叙事詩の一つだ。コメディであり,人間性と慈悲,戦争と暴力の結末を描いた作品 - 本当にたくさんの要素が詰まっている。

その後 観る映画:『野良犬』と『酔いどれ天使』。彼が作った2本のフィルム・ノワールが好きだ。彼の雰囲気に対する感覚は信じられないほどだ。彼は音響時代の最高の映像監督(visual director)だ,ヒッチコックやデヴィッド・リーンに匹敵するかもしれない。彼らは視覚的な言語で語り合ったが,後の監督たちは必ずしもそうではなかった。それに,黒澤は元々画家だったので,基本的にすべてのショットが絵画のようなものである。

(転載了)
*****************
「七人の侍」をスクリーンで観たことがあるか 思い出そうとしました。
1954年の公開時は 小学校入学前で 観ていないことは間違いありません。
が,大人になって 一度 リバイバル上映時に 観たような気がします。

| | | コメント (0)

2025年7月31日 (木)

ジェームズ・キャメロン監督のベスト映画

監督で 観る映画を選ぶことは少ないのですが,ジェームズ・キャメロン監督の映画は気になります。

男性総合誌GQ の 英国電子版 ‘GQ-UK’,7 July 2025付けに
The best James Cameron movies, definitively ranked
「ジェームズ・キャメロン監督のベスト映画を徹底ランキング」
と題する,読み応えのある記事がありました。

下記,拙訳・転載します。
***************************
Assessing the achievements (directorial and otherwise) of the blockbuster auteur who built Pandora, sank the Titanic, and unleashed the Terminator
パンドラを建設し,タイタニック号を沈没させ,ターミネーターを世に送り出した大ヒット映画監督の功績(監督他)を総括する

000_20250722154101

ジェームズ・キャメロンは,興行収入が二桁台に突入する準備がある。202512月に公開される ジェームズ・キャメロン監督作品の最高傑作の一つ 『アバター』 の続編は,彼が監督する長編映画としては10作目となる。しかも,『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(Avatar: The Way of Water)』からわずか3年後の公開となるため,キャメロン監督作品が3年間隔以上の公開がほぼ当たり前だった90年代以降,最も短い公開間隔となる。

彼は隠遁者(recluse)ではない;ただの完璧主義者で,壮大なプロジェクトの脚本と制作に長い時間を費やす。その制作期間は,他のどの大物監督よりも長く,間違いなく 「史上最も製作費の高い映画」の記録に達している。幾分か生産性の高いジョージ・ルーカスや,SFに全力を注ぐ(all-in-on-sci-fi)スティーブン・スピルバーグのように,キャメロンはハリウッド大作映画(blockbuster)の芸術を洗練させ,再定義してきた。そして,どの作品にも費やす時間にもかかわらず,実際よりもはるかに簡単にそれを実現しているように見せている。彼のセリフは陳腐なこと(corny)もあるが,キャメロンはアクション映画の構成において天才であり,登場人物,葛藤,そして世界を丹念に構築していく中で,観客に何度も花火の瞬間を待たせる。

もしそれが少し計算づくめで,少し仕組まれたように聞こえるなら,キャメロン監督作品の多くに見られる感情的な誠実さを,正しく表現できていないと言えるだろう。T-800が人間らしさの片鱗を見せ始める場面,リプリーがエイリアンの女王に遺恨試合(grudge match)を挑むために突撃する場面,ジャックが氷の海に浮かぶ ドアの上でローズに寄り添うことさえせず,彼女の命を救う場面など,その全てがそうだった。彼はまた,テクノロジーが物語の核心部分となる映画を作るという,稀有なテクノロジー狂の(tech-infatuated)映画監督でもある。だからこそ,機械を創造的かつ思慮深く使う方法について,より深い洞察力を持っているのかもしれない。

ジェームズ・キャメロン監督の最高傑作は,まあ全部と言っても過言ではないが,もう少し深く掘り下げて,最高の作品と,単に非常に良い作品,あるいは,時には疑問の残る作品との違いを探ってみよう。キャメロン監督は40年以上にわたり,現在までに9本の長編映画すべてを監督している。彼が撮影・企画した 『アバター』の続編3本があれば,間違いなくテレンス・マリック(Terence Malick)とスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)を上回ることになるかもしれないが,それは彼が自らに課した相対的な希少性(scarcity)のレベルなのだ。このリストには,彼が公式に共同脚本としてクレジットされている3本の長編映画も含まれる。これらすべてが,ハリウッドで最も野心的なスタジオ資金の使い手として彼が作り上げてきた作品の価値を高めている。

  1. ランボー/怒りの脱出Rambo: First Blood Part II (1985)
    012_20250722154201

キャメロン監督は,巨額予算の続編という芸術を極め,史上最高の続編を3本(うち2本は,続編は必ずオリジナル作品よりレベルを落とすというルールの例外として頻繁に挙げられる)手掛ける以前,かなり駄作にいくつか関わっていた。確かに,素晴らしい『ランボー(First Blood)』の続編で,今度は我々が勝つぞ(we-get-to-win-this-time)という意気込みで共同脚本としてクレジットされているだけだが,それでも彼の経歴に残る軽微な汚点(blemish)であることには変わりない。

もちろん興行的にはそうではない;これはシルベスター・スタローン作品史上最大のヒット作の一つである。ランボー 2作目は,心理的に複雑なベトナム帰還兵(Vietnam vet)というキャラクターを,一人の戦士(war machine)へと変貌させ,その後の駄作(bad)ランボーの原型(template)とも言える作品となった。スタローン自身によると,キャメロンの案ではアクション・シーンに至るまでに時間がかかり,技術に詳しい相棒(sidekick)が登場していた。これらの要素は,映画の土台作り,あるいは少なくともキャメロンらしさをより際立たせる要素だったはずである。現状では,キャメロンが遠くから 本格的作戦の(set-piece)指示を出すという,ありきたりな駄作アクション映画の可能性を探る作品となっている。答えは:相変わらずありきたりな(generic)駄作アクション映画(action trash)と大差ないということである。

  1. 殺人魚フライングキラーPiranha II: The Spawning (1982)
    011_20250722154201

振り返ってみると(in retrospect),『殺人魚フライングキラー』は,登場人物が水中でセックスしようとする唯一のジェームズ・キャメロン映画というのが衝撃的だ。(失礼ながら,これまでのところ,登場人物が水中でセックスしようとする唯一のジェームズ・キャメロン映画である。『アバター』はまだ少なくともあと3作残っているのを忘れないで。)これは実はこの映画の冒頭シーンで,キャメロン監督は私たちに忘れてほしいと思っているシーンである;彼は自分の名前をそのシーンから外そうと闘い,主要撮影に入ってわずか2週間で解雇されたと主張している。

これに異論を唱える人たちもいる。キャメロンは(解雇された別の監督の後任として)残りの撮影期間も現場にいたというのだ。もしかしたら二人とも正しくて,そもそもこの映画の制作期間は数週間だったのかもしれない。確かに,この映画はモンスター映画の続編の安っぽい演出(『ジョーズ』を小さく空を飛ぶように改造したようなものなので,『ジョーズ』とは似ても似つかない?)ではあるが,同時に,キャメロン監督のトレードマークである水中映像の多さ,赤色照明のシーン,ランス・ヘンリクセンの起用など,多くの要素が盛り込まれている。(キャメロン監督らしさは薄れ,女性のヌードが延々と続く。)確かに駄作ではあるが,低予算の駄作としては,ある種の安っぽい魅力(low-rent charm)があると言えるだろう。

  1. トゥルーライズTrue Lies (1994)
    010_20250722154201

キャメロン監督作品の中で,ファンタジー要素のない2作品のうちの1作(アーノルド・シュワルツェネッガーを除外すれば別だが)の 『トゥルーライズ』は,ジェームズ・ボンド映画を彷彿とさせ,アーノルドを巧みなスパイとして描き,妻(ジェイミー・リー・カーティス)でさえ彼を退屈なコンピューターセールスマンだと思っているほど巧妙な潜入スパイとして描いている。

この映画は、本格的なボンド映画の休止期間(『ゴールデンアイ』は1995年まで公開されなかった)に発表された,壮大な一連のヌーボー・ボンド・アクション・シーケンスで始まり,より伝統的なアーノルド・シュワルツェネッガー風の悪役を吹き飛ばす(villain-blasting),爆発満載の(explosion-laden)スタントの壮大な(spectacular)(そして,そう,かなり人種差別的な(and, yes, fairly racist))連続で終わる。

その合間には,まあ,少なくともビル・パクストン(Bill Paxton)はいる;彼は,シュワルツェネッガーの真似をしてカーティスを誘惑しようとする(attempt to seduce),下品な(sleazy)自動車セールスマンの役をとても面白く演じている。カーティスはその後,復讐として恐怖と屈辱を味わう(そしてもちろん,パクストンの演じるキャラクターも当然罰せられる)。

この映画の再婚コメディ部分は,マイケル・ベイ監督作品のコメディ・リリーフにおける攻撃的で威圧的なトーンを奇妙に予感させる。具体的には,子供たちが言うように「見栄えが悪い」のだ。しかし,奇抜なスパイ活動に焦点を当て,最終的にカーティスを任務に巻き込む場面では,後味の悪さ(sour aftertaste)はあるものの,実に面白い。

  1. アビスThe Abyss (1989)
    009_20250722154201

再婚物語(remarriage narrative)をもう一つ,感傷的な部分も,そして現実世界のどこまでも水,水という点でも,『トゥルーライズ』 よりもはるかに甘ったるい(soppier)。キャメロン監督初の深海探検で,エド・ハリスとメアリー・エリザベス・マストラントニオは,潜水艦を回収し,疎遠になっていた関係を修復するために,深い海へと向かう。そして,少なくともキャメロン監督の特別版では,その暴力行為への罰として地球上の生命を滅ぼす可能性のあるエイリアンの宇宙船に遭遇する。

当時,『アビス』は一種の無駄遣い(boondoggle)と思われていた。高額で困難な撮影のため,俳優たちは疲弊し(wrung out),当初の公開日も延期された。キャメロン監督作品の中で唯一大ヒットに至らなかった作品であり、おそらく偶然ではないだろうが,キャメロン監督による改訂版(テスト観客による批判を一切受けずに完成)が最も広く受け入れられた作品でもある。

確かに,本作は 『アバター』並みの171分に尺を延ばしている; 同時に,ラブ・ストーリーに加え,スケール感とスペクタクルに余裕を与えている。どのバージョンを探しても,オスカー受賞の視覚効果と,SF的な結末にもかかわらず,キャメロン監督作品の中で最も純粋にプロセス重視のストーリーテリングを備えた,素晴らしい作品である。

  1. ストレンジ・デイズ/1999年12月31日Strange Days (1995)
    008_20250722154201

キャメロンが元妻キャスリン・ビグロー(Kathryn Bigelow)と唯一クレジットされている共演作は,当然ながら,彼女の未来的(futuristic)で暴力的,そしてやや感傷的な(sappySF映画だ。この半ば忘れ去られた(half-lost)傑作は,公開当初は大失敗に終わった(bombed hard)が,キャメロンが監督よりも脚本家として,よりハードなSFコンセプトを探求する方が心地よく感じることがあるという,2つの例のうちの最初のものだ。(本作と 『トゥルーライズ』の脚本を手掛けたにもかかわらず,キャメロンがなぜか後者に自身の個性が必要だと判断したのは意外なことだった。)

レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)は,観客を他人の体験に引き込むリアルなVRディスクのディーラー,レニー役で,主演男優として最高の演技を見せている。このコンセプトは,ノワール風のプロットを描くのに最適な媒体だが,ビグローとキャメロンは145分版を制作することで,ノワールの慣習を無視している。ノワール全盛期であれば,長くても100分だっただろう。それでも,素晴らしい俳優陣と雰囲気がたっぷりあり,約 2時間半の鑑賞に十分値する内容となっている。

  1. アバター : ウェイ・オブ・ウォーターAvatar: The Way of Water (2022)
    007_20250722154201

映画監督がアバター 2作目のような成功を収め,畏敬の念を抱かせる作品を作りながら,それが自身の監督作品の中で6番目にしか評価されていないとは,実に驚くべきことだ。しかも,2 又は3 ダース ではなく,9作品中だ! つまり,キャメロン監督の2009年大ヒット作の驚くべき後続作である 『アバター:ザ・ウェイ・オブ・ウォーター』に,特に欠点はないということだ。

『タイタニック』 から 『アバター』までの時系列よりも13年も遅れ,ストーリーは明らかに1作目の主人公たちの子供たちに焦点を当てているにもかかわらず,『ザ・ウェイ・オブ・ウォーター』は,少なくともバンドの再結成といった意味では,レガシーな続編という印象は全くない。

キャメロンは,人間から原住民へと転生したジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が体験する,驚異的な光景に満ちた遥か彼方の月,パンドラの世界に舞い戻る。キャメロンは当然のことながら技術革新者であり,生粋の改造好き(inveterate tinkerer)として知られるが,彼がテクノロジーと古風な演技を巧みに融合させている点を,ここで少し振り返ってみよう。

話題作 『アバター』 公開後,数年で主演俳優として脚光を浴び、助演俳優の万能役者(utility player)へと躍進したサム・ワーシントンは,『ウェイ・オブ・ウォーター』でも真に素晴らしい演技を見せている。そして(それほど驚くことではないが,それでも嬉しいことに)ジェイクの愛するネイティリ役のゾーイ・サルダナも素晴らしい(彼女のオスカー受賞は,どちらかの 『アバター』 の受賞だと想像してみてほしい)。

最初の映画からかなりの時間が経ったため,この世界を複数の映画に拡張するというアイデアの概念実証として続編に余分な負担がかかったが,『ウェイ・オブ・ウォーター』 は,観客が必ずしもそれを達成したとは思わないうちに,それをやり遂げている。

  1. アリータ:バトル・エンジェルAlita: Battle Angel (2019)
    006_20250722154201

キャメロン監督の頭の中で長らく検討され(kicking around),『タイタニック』 続編の可能性も浮上していた『アリータ』 は,2019年に前途多難そうな(inauspicious)状況下でようやく制作・公開された。監督は『デスペラード(Desperado)』 のロバート・ロドリゲス,キャメロンは脚本共同執筆者としてクレジットされ,90年代後半には存在しなかった「不気味の谷(valleyish)」を思わせる視覚効果が多数盛り込まれている。

興行収入こそまずまずだった(OK business at the box office)ものの,熱狂的なカルト的人気(fanatical cult)を獲得したのは,その作品にふさわしい結果だった。ロドリゲス監督の荒削りなタッチ(特にバーでの喧嘩シーン)は数多く見られるものの,本作はジェームズ・キャメロン作品の最高傑作と言える特徴(hallmarks)をすべて備えている。登場人物を深く掘り下げる長編の前半から,(文字通りではないが)黄金の心を持つアンドロイドを演じるローサ・サラザールの共感を呼ぶバーチャル演技,そして後半の壮観なアクション・シーンまで,その全てが本作の特徴と言えるだろう。

同時に,キャメロン監督が共同脚本とプロデュースを手掛けたことで,彼のこだわり(obsessiveness)から解放された作品となっている; おそらく 『トゥルーライズ』 以来,最も純粋な楽しみを持って映画作りに取り組んだと言えるだろう。しかも,私の知る限り,人種差別的でも女性蔑視的(misogynist)でもないという利点も加わっている! トランスジェンダーの権利に関する力強い解釈もあって,熱狂的なファンを獲得し,6年間の熟成を経て、どうやら続編の可能性もあるようだ。キャメロン監督の影響力(clout)で実現することを祈っている(ingers crossed)。

  1. ターミネーターThe Terminator (1984)
    005_20250722154201

きっと多くの人が,キャメロン監督が2時間以内のSFホラー・スリラー 『ターミネーター』 のようなスケールと簡潔さ(concision)で,あと34本映画を作ってくれていたらよかったのにと思うだろう。そこまでは言わないが,キャメロン監督が無駄を削ぎ落とした(lean-and-mean)作品でさえ,90分という尺を大幅に超えていること自体が,そのことを物語っていると言えるだろう。

しかし,だからこそ,『ターミネーター』 の緊張感とエネルギーがほとんど衰える(flag)ことなく,未来から来たサイボーグ(もちろんアーノルド)が,未来の反ロボット革命家ジョン・コナーの母親,サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺害するために現れるという展開が,さらに印象的になる。

彼女の唯一の希望は,タイム・トラベルをする人間カイル・リース(Kyle Reese)(マイケル・ビーン)だ。リースは彼女を数々の追跡劇(chases),銃撃戦(shoot-outs),そして危機一髪(close scrapes)の場面へと連れていく(whisks)。その一つは,キャメロンが本作で手がける架空のジャンル(made-up genre)「テック・ノワール(Tech Noir)」 にちなんで名付けられたクラブで起こる。

続編(sequel)はより壮大で,より広範囲で,より壮大なスケールになっているが,オリジナルの 『ターミネーター』 には,SF神話(sci-fi mythology)と夢の論理が融合し,しばしば悪夢のような無秩序(rough-and-tumble)と緊迫感を与えている。キャメロンがこれほど短い映画を二度と作らなかったというわけではない;これほど記憶に残るほど恐ろしい(scary)作品を作ったことがなかったのだ。

  1. アバターAvatar (2009)
    004_20250722154201

最大の成功作から12年後,キャメロン監督は新たな挑戦(big swing)に踏み出した。遠く離れた月を舞台にしたSFファンタジー,そこには,青い猫のようなヒューマノイド種族をはじめとする幻想的な生物たちが暮らしており,そこにジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が潜入する(infiltrated)。麻痺を患った(paralysed)兵士(grunt)ジェイクは,新たなエイリアンの肉体で生きる情熱(lust)を取り戻す。サリーは原住民の一人と恋に落ち,最終的にはパンドラの資源採掘を企む地球軍兵士たちからパンドラを守ることになる。

残念ながら,私たちの誰もが,これが 「宇宙版ダンス・ウィズ・ウルブズ(Dances with Wolves in space)」だとか「基本的に 『不思議の森の妖精たち(FernGully)』だ」 とか「大きなスマーフ(Smurfs)だ」 とか,その他ネット・コメントで 「他にも何かあるし,それに気づいてる!」 とか,時には「見て,青!」 といった皮肉まがいの批判に耐えられる(outlast)ほど長く生きられないだろう。

『アバター』は典型的な(archetypal)物語を描いているが,同時に,他に類を見ない,視覚的に想像力豊か(そして概して反植民地主義的(anti-colonial)な大画面の旅でもある。(『不思議の森の妖精たち(FernGully)』 をIMAXで再上映して,どれだけの人が観に行くか見てみてほしい。) 要するに,キャメロン監督は「アンオブタニウム(unobtainium)」 を探しに旅し,そしてあのイカれた野郎がそれを見つけたのだ。

  1. ターミネーター2 Terminator 2: Judgment Day (1991)
    003_20250722154201

大ヒット映画の興行収入を無視して 『ターミネーター』 を上位にランク付けしたくなる気持ちも分かるが,前述の通り,オリジナル版はより恐ろしく,より残忍で(nastier),より短く,そしておそらく全体的にずっとクールである。しかし,『ターミネーター2』 はとてつもなくスケールが大きく(such a massive scale),その成功によって続編の制作は不可避となり,多かれ少なかれ不可能になってしまったほどである。キャメロン監督は続編作りが本当にうまい: 彼が 『ターミネーター2』 を制作したという事実は,一見するとそうは思えないほど,将来の 『ターミネーター345』といった作品の構想を暗黙の了解にしてしまうほどである。

それでも数々の続編(そしてかなり良質なテレビスピンオフ作品,実のところ 『ターミネーター2』 の続編として唯一まともな作品)が製作され,それが 『審判の日(Judgment Day)』の力に影を落とすことはなかった。これはキャメロン監督がアーノルド・シュワルツェネッガーと組んで 制作した3作品のうちの中間作でもあり,他の監督ではおそらく成し遂げられなかったであろう方法で,彼のスクリーンでのキャリアを支える柱となっている。

キャメロンは,かつての 『コナン・ザ・グレート』(Conan the Barbarian)』 を新たなレベルに引き上げ (『ターミネーター』は,昔ながらのスペクタクルをあまり意識せずに,最初の 『コナン』 に匹敵する興行収入を記録した),続編で彼を世界有数のスターに押し上げた (『ターミネーター2』 と 『ターミネーター3』 は,今でも彼の全米興行収入最高記録である)。そして,悪名高き 『ラスト・アクション・ヒーロー(Last Action Hero)』の失敗後も,彼の支配をさらに延長する勝利の行進(victory lap)を続けた(『トゥルーライズ(True Lies)』は,今でも 『ターミネーター』の続編に次ぐ彼の3番目の興行収入記録である)。

キャメロン三部作(trilogy)の中編となる 『ターミネーター2』は,アーノルドの演技の結晶であり,彼の持ち味であるロボットのような悪党ぶり,ウィンクを交えたコメディ,そして最も意外なことに,キャメロンが演出した数々の選りすぐりの騒乱の中に,感情の核となる部分を形成している。『ターミネーター2』 はアーノルド・シュワルツェネッガーの最高傑作であるだけでなく,誰かに最高のアーノルド・シュワルツェネッガー映画はどれかと問いたくなるほどの傑作である。

  1. タイタニックTitanic (1997)
    002_20250722154301

信じられますか?ほんの一時期,『タイタニック』 を嫌うことが,ある意味クールだ(kinda cool)と考えられていたなんて。 『L.A.コンフィデンシャル(L.A. Confidential)』 が 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 の 『グッドフェローズ(the Goodfellas)』に匹敵する作品だったなんて。陳腐なセリフ(corny dialogue),感傷性,長すぎる上映時間など,多くの人が彼の最悪な本能だと捉えているものに頼ることで,映画監督が勝利を収めた典型的な例として,『タイタニック』は,これまでで最も甘美で,最も心のこもった復讐劇(most open-hearted revenge)と言えるだろう。

キャメロンはキャリアを通して少なくとも3度目となる 史上最も製作費のかかった ― エイリアン,殺人ロボット,守護ロボットに変身する殺人ロボット,マシンガン,アーノルド といったキャラクターは一切登場しない - 映画を製作した。(これは,誰もが愛するキャメロン作品 『アビス(The Abyss』 のファンのために作られた映画だ。)

そして,あの忌々しい(damn)作品は史上最大のヒット作となり,オスカー賞を11部門で受賞した。もっとも,それにはちゃんと理由がある(With good cause):この作品は上映され,また映画館で特によく上映されることでキャメロンのその後のキャリアを予見するものでもある。もちろん,美しく作られ,演技も素晴らしく,とにかく引き込まれるので,自宅でも「楽しめる」。しかし,公共の場で,大きなスクリーンで,周りの人に鼻をすする音を聞かれながら観ると,これはすべての大惨事(disaster)映画,そしてその後に続いた多くの大惨事映画をも凌駕する大惨事映画になる。

1912年という設定にもかかわらず,垂直に上昇し,折れ,そして沈みゆく船の巨大さは,海の闇に包まれながら,テクノロジーの恐るべき威厳(frightening majesty)と自然の潜在的な怒りの両方を感動的に表現している。また,転覆する船から男が落ち,沈みゆく途中でプロペラに食らいつくシーンも,控えめながらも(low-key)非常に影響力がある。

  1. エイリアン2Aliens (1986)
    001_20250722154301

キャメロン監督の最高傑作は,彼自身が考案したものではないキャラクターやコンセプトに基づいた作品だと言うのは,公平ではないかもしれない。しかし,キャメロン監督が愛されてきたSFホラーの古典を掌握しようとした背景には、ある種の覚悟(knowingness)があった。それは,彼特有の傲慢さに満ちた企画書(hubris-laden pitch)の,今では伝説となっている(しかしどうやら真実らしい!)逸話からも明らかだ:ボードに 「エイリアン」と書き,さらに “$を付け加えることで,彼が思い描いていたものの抗しがたいシンプルさを印象づけたのだ(drive home)。

もちろん,『エイリアン2』 は前作よりも 構成(logistically)が複雑になっている。リプリー(シガニー・ウィーバー)は57年間の冬眠から目覚め,地球に戻ると,悪の(nefarious)ウェイランド・ユタニ社が,前作で初めてエイリアン(xenomorph)と遭遇した太陽系外衛星(exomoon)にコロニーを建設しようとしていることを知る。予想通り,同社とコロニーの連絡が途絶えると,彼女はしぶしぶ(reluctantly)海兵隊の調査隊に同行することに同意する。

そこで彼らが見つけたのは,エイリアンだった。そしてメカ・スーツ。そして,史上最も手に汗握る(grabbiest),最も理屈抜きの(visceralSFアクションの数々,あまりにも強烈な感情のバックボーンを持つ本作は,次作がこの作品に手を出すと,評判がほぼ一瞬で地に落ちたほどだ(torpedoed)(エイリアン3は 無実だった!)。ウィーバーは,象徴的な主人公を意義深く掘り下げ,力強い女性を母親のような存在へと昇華させながらも,そのキャラクターを安っぽくしないという稀有な続編で,当然のアカデミー主演女優賞ノミネートも果たした。

『エイリアン2』 は,ハードルを高く設定し(ante-upping),金銭面でも手が込んだスリリングな作品であり,より荒削りな(scrappier) 『ターミネーター』の後,キャメロン監督により大きなキャンバスを与えた。同時に,女性らしさについて(そして逆転させる)驚くべき考察でもある。悲しみに暮れる母親(リプリーの娘が冬眠中に死亡するという描写は劇場版にはないが,失われた時間への彼女の深い悲しみは,今もなお全てを覆い尽くしている)と,銀河系で最も獰猛な(fiercest)エイリアンの女王を対決させる。リプリーとゼノモーフ(xenomorphs)は,もしかしたら他の誰かのキャラクターかもしれないが,『エイリアン2』 は彼らをジェームズ・キャメロン監督の究極の映画として再構築している(recontextualises)。

(転載了)
********************* 

| | | コメント (0)

2025年7月22日 (火)

TVでの面白い発言(その89)

〇バラエティー番組で
  (職業不詳の)A氏,自身の「勘違い」の例を挙げて-
  ・ “turbo” を「ツルボ」と言っていた。
  ・ “You are … ” を「ユーアレ」と言った。
  ・ “HAWAII” を 「ハワツー」と言っていた。

the” を 「トヘ」(「テヘ」?」と言ったという伝説(いかにもありそうな作り話らしいが)を持つ御父君と いい勝負です。 

悪びれず,恥ずかし気もなく,誰にでも よくあることのように話すのは常人にない,流石の神経です。

しかし,誰にでも よくあることでも「勘違い」でもありません。
中学英語を(or も)まともに勉強してないだけ,あるいは非常識というだけの話です。
「山羊」を「ヤマヒツジ」と読む方です。(「ヒツジ」は読めていました。)

そもそも 還暦間近の真面な大人なら 恥ずかしくて 人に言える内容ではありません,隠しておきたいことです。
TV局は このレアな方を サラシモノ,あるいは 笑いものにして 視聴率を稼ぐことに罪の意識を感じてないー のでしょうね。

本人に 上述のマイナス意識がなければ,コンプライアンス的(定義が良く分らないが)には 問題なし?
動物愛護協会からの虐待のクレームもない?

-と,思いつつも 面白がって観ている自身が怖い。

 

| | | コメント (0)

2025年7月20日 (日)

TV番組と ブログ 「『アブ・シンベル神殿』・・・」へのアクセス

7月19日 TVで「『博士ちゃんSP』古代エジプト博士ちゃんが5つの世界遺産を巡る旅 “最愛の人”ラムセス2世のミイラと対面」で,中学3年生の少女が「ラムセス2世」に関わる遺跡をエジプトに訪ねる番組があり,ブログ 2019年12月投稿 “「アブ・シンベル神殿」の移転工事詳細を50年ぶりに知った。” へのアクセスが その日 160件 を超えました。

001_20250720053101
投稿は 2019年11月26日,NHK BSプレミアムの 「アナザーストーリーズ/巨大遺跡引っ越し大作戦~エジプト アブ・シンベル神殿」に基づいて書いたものです。
002_20250720055501

| | | コメント (0)

2025年5月18日 (日)

この夏の映画 10作品,2025

男性誌 GQ の英国電子版 ‘GQ-UKMay 7.2025付け
The Summer movie 2025 power ranking
2025年夏映画パワーランキング」
のタイトル記事を 拙訳・転載します。

************************
The coming blockbuster season looks to be the strongest in years, from long-awaited sequels like 28 Years Later to Tom Cruise's Mission: Impossible swansong.
待望の続編 “28 Years Later28年後...)” からトム・クルーズ主演 “Mission: Impossible — The Final Reckoning(ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング)” のラストシーンまで,来たる大ヒット映画シーズンはここ数年で最も盛り上がりそうだ。

000_20250514053801

この夏,映画が正式に復活した。これほど充実した 大ヒット作品(blockbuster)が揃ったのはいつのことだろうか? 2023年には『バーベンハイマー(Barbenheimer)』(「バービー」と「オッペンハイマー」の2作品)があったが,同日の2作品だった。2025年は,マルチプレックスの覇権をめぐる夏の争いが何ヶ月も続く兆しが見えている。
まず,“Avengers: Endgame(アベンジャーズ/エンドゲーム)” 以来,最も期待されているコミック映画が2本,“Superman(スーパーマン)” と “The Fantastic Four: First Steps(ファンタスティック4:ファースト・ステップ)” である。“M3GAN 2.0”,“Weapons”,“28 Years Later28年後...)” など,ジャンルを超えたスリルが満載である。そして、ジョセフ・コシンスキー(Joseph Kosinski)監督の “F1F1/エフワン)”。ブラッド・ピット主演のレーシング・スリラーで,“Top Gun: Maverick(トップガン マーヴェリック)” の躍動感あふれるアクション(kinetic brilliance)を再現しようとしている。
これらをはじめとする数々の注目作を見ると,この夏はエアコンの効いた映画館(cinema auditoriums)で日差しを避けながら過ごす時間が長くなりそうだ。日焼けはできないし,ビーチでバター・ポップコーンを食べて体を温めきれないかもしれないが,少なくとも映画は素晴らしいものになるだろう。そこで,私たちが選ぶベスト10をご紹介しよう。

  1. Materialists(マテリアリスツ)
    010_20250514053801

Past Lives(パスト ライブス/再会)” の脚本・監督を務めたセリーヌ・ソン(Celine Song)は,8月に2作目の映画(sophomore movie)デビューを飾る(アメリカでは6月公開予定)。本作は、ペドロ・パスカル(Pedro Pascal),クリス・エヴァンス(Chris Evans),ダコタ・ジョンソン(Dakota Johnson)という豪華俳優陣(A-list talent)による三角関係を軸にした,ニューヨークを舞台にしたロマンティック・コメディ(rom-com)。一見すると,『アベンジャーズ』以前(the pre-Avengers)の中予算スタジオ映画を彷彿とさせる作品になりそうだ。豪華俳優陣が集結し,90分間スクリーンで繰り広げられる,まさに圧巻の作品だ。これほど魅力的な作品はないだろう。『マテリアリスツ』が興行収入で大成功を収める(blow away)とは期待できないが,夏の締めくくりにこれ以上の賞賛に値する(nicer awards-courting)食後酒(digestif)は考えられない。

  1. Jurassic World Rebirth(ジュラシック・ワールド/復活の大地)
    009_20250514053801

オリジナルの “Jurassic Park(ジュラシック・パーク)” 以来,どれも本当に良い作品ではないのに,『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が7作目で,2025年に「ジュラシック・パーク」映画を期待するのは無駄な努力(fool's errand)だろうか?おそらくそうだろう!しかし、『復活の大地』が誰もが愛する恐竜シリーズ(dino franchise)を絶滅(extinction)から救うだろうと考える(reckon)だけの理由はある。頼れるゴジラ監督のギャレス・エドワーズ(Gareth Edwards)と,『ジュラシック・パーク』の脚本家デヴィッド・コープ(David Koepp)が率いる、最高の(killer)クリエイティブ・チームが集結。さらに,スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson),マハーシャラ・アリ(Mahershala Ali),ジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)といった最高の(primo)キャスト陣も揃い,クリス・プラット(Chris Pratt)らの脇を固めるシリーズにも期待が集まる。もし大ヒット作(banger)になったとしても,驚かないように。

    8.How to Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)

008_20250514053901

『ヒックとドラゴン』は興行収入では『ミニオンズ』やピクサーほどのフランチャイズではないが,オリジナルのアニメ映画は歴史的に映画館で好成績を収めてきたため,今度の実写リメイクを軽視する理由はほとんどない。
今年初めに公開された実写版 “Snow White(白雪姫)” の興行成績が期待外れ(underwhelming)だったことで,期待が薄れる(dampen)かもしれない。観客は実写リメイクに飽きてしまったのだろうか,それともディズニーのせいなのだろうか? しかし,家族向けのファンタジー大作(blockbuster)は,誰も望んでいない人気作品の実写版(IRL(in real life) version)よりも,実写化への移行をうまく乗り越えられるのではないだろうか。

  1. M3GAN 2.0
    007_20250514053901

歌って踊る AI人形が,ジェラルド・ジョンストン監督の 2023年ヒットホラー映画 “M3GAN” の続編として,アップグレードして帰ってきた。新たな悪役が登場する(on the horizon 2.0 は,『T-2(ターミネーター2)』の流れを汲み,‘M3GAN’ をヒーローに仕立て上げようとしているようだ。彼女が人気を博し,ゲイの男性がハロウィーンで着る定番のドラァグ・コスチュームとなったことを考えれば,当然のことだ。ユニバーサルが本作を素晴らしい作品と期待していることを示す主な兆候は? 第1作は1月に公開されたが,これは通常,受賞候補失敗作やC級スタジオの作品が制作される映画のデッドゾーンである。しかし,‘2.0’ は “28 Years” や “F1” の盛況の中,6月下旬という絶好のタイミングで公開される。大勝利(Huge slay)。

  1. Superman(スーパーマン)
    006_20250514053901

近年の “Thunderbolts(サンダーボルツ)” 通称(aka:also known as)“The New Avengers” の決定的な成功は,‘Marvel’ が世界的な興行収入で確固たる地位を築く上で大きな役割を果たした。2025年は,スーパーヒーロー映画が興行収入の覇権(supremacy)を取り戻した年として振り返ることになるのだろうか。
2つの大きな試金石となるのは,ジェームズ・ガン(James Gunn)監督による原点回帰の(back-to-basics reboot)「スーパーマン」作品(旧タイトル “Superman: Legacy”)である。本作では、デイヴィッド・コレンスウェット(David Corenswet)が再び主人公となり,衰退しつつある(waning DC映画のユニバースを再構築する。幸いなことに,ガン監督はコミック映画に関しては素晴らしい実績を誇り,“the Guardians of the Galaxy” 三部作と “The Suicide Squad(ザ・スーサイド・スクワッド “悪党、集結)』を監督しており,いずれもコミック映画の最高傑作に数えられている。『スーパーマン』はガン監督の最高傑作(crowning achievement)となるのだろうか,それとも彼の「弱点」(kryptonite(クリプトナイト))となるのだろうか? 現状では,前者の可能性が高まっている。

  1. Mission: Impossible — The Final Reckoning(ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング)
    005_20250514053901

トム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル』シリーズの最終作(swansong)となると目されている『ファイナル・レコニング』は,命知らずの(death-defying)スパイ・シリーズ第8作目となる。制作費は,これまでで最も高額な(eye-watering 4億ドルに上る。ハリウッドの帝王に関わるとなると,特に “Top Gun: Maverick” 後の世界では,惜しみない出費が求められる。こうした作品は,大抵の場合,それなりに成功する。
本作は “Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One(デッドレコニング PART ONE)” の後日談となる予定で,クルーズ演じるイーサン・ハントは「エンティティ(the Entity)」と呼ばれるAIプログラムを追跡し続け,その途中で(en route)複葉機(biplane)からぶら下がる場面も見られる。スタントはクレイジーで,62歳になったクルーズがなぜ死ななかったのかと不思議に思うだろう。さらに,スキンケアをやめるよう懇願したくなるだろう。巨額の製作費を回収できるかどうか不安もあるかもしれないが,そんなことはどうでもいい。これは,映画館で楽しい時間を過ごすための確実な方法と言えるだろう。

  1. The Fantastic Four: First Steps(ファンタスティック4:ファースト・ステップ)
    004_20250514053901

ディズニーが20世紀フォックスの買収を完了し,その過程で “X-MEN” と “the Fantastic Four” の権利を取り戻してから6年,マーベルのファースト・ファミリーがついにMCUMarvel Cinematic Universe)の舞台で長編デビューを果たす。
スーパーヒーロー映画への熱狂は冷めつつある(waned)中,新作 “the Fantastic Four” は正しい方向への一歩を踏み出すだろうと考える理由はたくさんある:60年代のレトロ・フューチャー(retro-futuristic)で “Fallout(フォールアウト)” を彷彿とさせる(esque)世界観,グーギー(Googie)の想像力に溢れた衣装やセット,そして「文字通り何にでも出演している」ペドロ・パスカル,ヴァネッサ・カービー,ジョセフ・クイン,エボン・モス=バクラックを筆頭とする豪華キャストなど。総じて,“Spider-Man: No Way Home(スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム)” 以来,コミック映画に積極的に期待を寄せるのはこれが初めてであり,“Avengers: Doomsday(アベンジャーズ/ドゥームズデイ)” を控えたマーベルにとって,まさに必要な活力(the shot in the arm)となるかもしれない。

  1. Weapons
    003_20250514053901

これまでのところ完璧な(flawless)バイラル・マーケティング・キャンペーンと,恐怖感に満ちた不気味な(spooky)予告編を経て,“Barbarian(バーバリアン)” のザック・クレガー(Zach Cregger)監督による “Weapons” は,夏の映画シーズンのダークホースとして浮上した。ストーリーはシンプル。ペンシルベニア州の小さな町で,真夜中に17人の子供たちが同時に行方不明になり,地元の人々は恐ろしい謎に直面する(grapple with)ことになる。
​​クレガー監督の作品が映画界で大きな話題を呼んだことを物語るように,“Weapons” の脚本は製作開始前に激しい入札合戦に巻き込まれ,落札に至った。落札後まもなく,“Get Out” のホラー界の大物(horror mogul)ジョーダン・ピール(Jordan Peele)は,マネジメント・スタッフとの関係を断ったとされている。総じて,ホラー作品としてはこれ以上ないほど話題作と言えるだろう。

  1. 28 Years Later(28年後... )
    002_20250514053901

2007年に公開された “28 Weeks Later28週後...)” 以来,「28シリーズ」続編の噂は飛び交っていた。そしてついに “28 Weeks Later” が公開。怒りに駆られた(rage-infected)チンパンジー(chimps)の逃亡によ​​って,いまだ隔離状態(quarantined)にある英国が急速に崩壊してから30年近く後の出来事を描く作品である。
ストーリーの詳細は未だ明かされていないが,少なくとも一部は,理由は分ってないが,北イングランドに渡航するNATO部隊に関わるものになることは分かっている。さらに,ジャック・オコンネル(Jack O'Connell)がカルト的な人気を誇る人物として,そしてレイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)が終末後の世界の(post-apocalyptic)医師として出演する。最初の予告編はここ数年で最高の出来栄えの一つだったが,2番目の予告編は私たちの期待を10倍に高めた(anticipation tenfold)。三部作(trilogy)の壮大な計画があり,続編 “The Bone Temple” は1月の公開に向けて既に制作が進められている。

  1. F1(F1/エフワン)
    001_20250514053901

確かなことは言えないが,夏の映画シーズンの終わりには “F1” が表彰台(podium)のトップに立つと私たちは確信している。理由は2つある:まず,ジョセフ・コシンスキー(Joseph Kosinski)監督が “Top Gun: Maverick” の成功を再現しようとしており,老齢の反体制派の実力者が最後のダンスを踊る物語を描いているからである。次に,その主人公を演じるのは,世界中の映画ファンの多くにとって「興行収入」(box office)の代名詞であるブラッド・ピット(Brad Pitt)である。つまり,ジェット機の代わりにレーシング・カーが登場する『トップ・ガン』の続編といったところだろうか。そして,これは私たちが支持できる確実な(sure-fire)成功の秘訣の一つである。

(転載了)
*********************
1年以上 映画館で洋画を観ていない私としては 迷うところです。
28 Years Later” あるいは “Mission: Impossible — The Final Reckoning” ?

英語の勉強―
2
作目の映画の意味で ‘sophomore movie’ と書いていました。

sophomore” は 60年前の高校時代に,大学の1年生,2年生,3年生,4年生 を ‘freshmansophomorejuniorsenior’ と覚えて以来,初めて見る使い方です。.

sophomore’ は辞書によると-

【名】
     〔高校・大学の〕 2年生
          ・He did very well in his sophomore year at college. : 彼は大学の2年目で非常に優秀な成績を収めた。
     〈米〉〔経験などが〕2年目の人

【形】
     〔高校・大学の〕 2年生の
     〈米俗〉未熟な

| | | コメント (0)

2025年5月17日 (土)

素潜り「時間:10分以上,水深: 70m」?

NHK総合「シリーズ人体Ⅱ 遺伝子」を見ていて 驚くべき能力を持つ民族が紹介されていました。
インドネシアの水上住居に住む「バジャウ(Bajau)」族は  10分間以上,水深 70m 素潜りするー ということです。

001_20250427133101

身体の何が違うか?
赤血球を蓄える脾臓が 通常の 1.5倍の大きさであり,民族の遺伝子でそうなっているとのことでした。

調べると ‘BBC’ 電子版 20 April 2018付けにー
Bajau people 'evolved bigger spleens' for free-diving”(バジャウ族は素潜りのために 「より大きな脾臓を進化させた」)と題する記事がありました。
記事の冒頭には 次のように書いています。
自然選択の顕著な例として,東南アジアのバジャウ族は潜水のために脾臓を大きく発達させてきたことが研究で明らかになった。
バジャウ族は伝統的に放浪民であり,航海民(nomadic and seafaring)で,海底で貝類を採取して生計を立てている。
この生活様式が彼らの生物学的機能に及ぼす影響を研究している科学者たちは,彼らの脾臓が,この地域の近縁種の人々よりも大きいことを発見した。
脾臓が大きいことで,潜水時に血液中の酸素供給量が増える。」

まいりました。
脾臓は鍛えて大きくなるものではなく,偶々 大きい脾臓の遺伝子を持つ者がいて 長い間に,その遺伝子を引き継ぐ者たちで民族が形成されてきた(数千年にわたる淘汰・選択?)ーということでしょうか。
タイトルの “evolve” は個人としてではなく 民族としてーということでしょう。

素潜りの競技では 100m以上,10分以上の記録がありますが,バジャウ族の素潜りの目的は長く潜ることでも,深く潜ることでもなく 貝を獲ることです。潜って仕事をします。

| | | コメント (0)

2025年5月14日 (水)

最近 西洋人が箸を使って食事するシーンをよく見る。

NHK TV「アストリッドとラファエル5 文書係の事件録」で アストリッドの部屋で 二人が食事をするシーンがありました。
001_20250505182601

002_20250505182601
二人が 箸で食事をしています。
ラファエルは 寿司を,アストリッドは 何と 茶碗でご飯を食べていました。
(箸と茶碗の持ち方には目を瞑ってー。 最近は まともに箸を使っている日本人も少ない。)

その前日 BS11で観た「ヴェラ 〜信念の女警部〜 」でも 警察署で 部下と食事をするシーンで 中にはフォークを持っている部下がいましたが,多くは 箸を使っていました。

昨今の訪日旅行者の映像でも 箸を使うシーンをよく見るようになりました。 
2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことが 関係しているのかどうか,21位世紀になって 特に 箸が世界に広まっているような感じがします。
勿論 箸は 東アジアの文化ですが 何故か 日本食を強く感じます。

かつて 伊丹十三氏がエッセイに書いていました。
「平和であるべき食卓に 武器起原の ナイフとフォークを持ち込むのに比べて 箸は・・・ 」。(正確な文は覚えてないが・・・)

45,6年前,出張中のポルトガル,リスボンで中華料理店に入ったとき,ナイフとフォークを出されたので 箸を頼みました。
しばらくして 出された箸は ー 何と 長い菜箸でした。今は そんなことは ないでしょう。

| | | コメント (0)

2025年4月30日 (水)

SUNTORY WHISKY 碧Ao の CM が ・・・

SUNTORY WHISKYAo の,3月末から放映しているCM が なかなか イイ と思います。

001_20250414150101
002_20250414150101
003_20250414150101
004_20250414150101
004a_20250414150101
005_20250414150101
006_20250414150201
007_20250414150201
009_20250414150201
出演は 松田龍平さんと 石橋静河さん,
場所は Sri Lanka の ホテル “Jetwing” の バー “Lighthouse”。

| | | コメント (0)

2025年3月24日 (月)

TVでの面白い発言(その88)

(これらを 面白いと言うべきか ・・・ )
TVニュースで 近頃 問題になっている 警察官なりすまし電話の被害者に 電話でインタビューしていました。
インタビューアーの若い女性アナウンサー(記者?)が 被害者に質問してー
   「相手は あなたのフルネームをご存知だったのでしょうか?」

〇 火災現場からの中継でー
    中継アナウンサー「煙と白煙が見えるという通報で ・・・ 」

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧