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2024年8月19日 (月)

英国ドラマでの シンプルなやりとり

8月17日,BS11で観た『オックスフォード・ミステリー / ルイス警部第6シリーズ 第4話 「消せない染み」前編ー
(“Inspector Lewis : Season 6, Episode 4 - The Indelible Stain”)
での 簡単な会話です。

捜査のために訪れた市民運動家との話し中,電話を受けた インテリの ハサウェイ巡査部長が 注意され,それに対して 軽く返しています。

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Wouldn't it be courteous to have that thing turned off?
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I'm at work, not at the theatre.
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直訳すれば「私は仕事中,劇場にいるわけではない。」と 簡潔に応えています。
この受け答え,感心しました。(当たり前の内容ですが ・・・ )

at work
 1.〔機器などが〕運転中で,動いて,稼働中で,作動して,作用して
 2.〔人が〕働いて,仕事をして,仕事中で,執務中で,仕事に出て,就業して,就労して,従事して,出勤して,活動中で,現役で
 3. 勤め先で[に],仕事場で[に],職場で[に],会社で[に]
    ・Call me at work. : 会社に電話してください。
 4. 制作中で
因みに この回が 英国で放送されたのは 2012年,まだスマホを使っていません。

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2024年8月16日 (金)

英国版 GQが選んだ ベスト戦争映画 15作品。

GQ-UK’に2 August 2024付けで
The 15 best war movies ever made” (「史上最高の戦争映画15選」)
が掲載されていました。

下記,拙訳・転載します。
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おそらく愛にわずかに遅れをとるものの,戦争は映画が誕生して以来,映画製作者にとって最大の関心事であり続けている。監督が戦争を描くのが好きなのは,戦争が同時に多くの側面を持つことができるからである。
戦争は,マクロな地政学的変化であると同時に,親密な人間の悲劇でもある。それは名誉であると同時に嫌悪感を抱かせるものであり,単純でありながら限りなく複雑である。もちろん,間違った手法で作られた戦争映画は,皮肉なことに非常に退屈なもの(戦火の馬(War Horse),ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge))になるか -もっとひどいことに,冷笑的なプロパガンダ作品(アメリカン・スナイパー(American Sniper),ローン・サバイバー(Lone Survivor))になることもある。

しかし,戦争を描いた作品の中には,着地を成功させながらも,その過程で,まったく異なる方法でそのテーマにアプローチした作品も数多くある。以下の作品の多くは,戦争の根底にある道徳観と,それがどのように歪められ,作り変えられるかを問うものである。しかし,理想主義や権力の残忍な傲慢さ(the brutal hubris)など,他のテーマも取り上げている。恐ろしいものもあるが,逆に、とても美しいものもある。

  1. アレキサンダー/Alexander (2004)
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オリバー・ストーン(Oliver Stone)の叙事詩的な映画(epic)『アレキサンダー』がリスト入りしたのは,純粋に歴史的正確さにこだわったからで,これはほとんどの戦争映画監督が喜んで省略する基準である。しかし,ストーンはここでオタクっぽさ(nerdiness)や衒学的なところ(pedantry)を本当に強調しており,それは彼の功績だ。
映画の撮影前に,監督はアカデミーを見学し,オックスフォード大学とニューヨーク市立大学クイーンズ校の歴史家に相談して,すべての密集軍(phalanxes)と戦闘隊形(battle formations)が完全に正確であることを確認した。どうやら,ペンシルベニア州立大学で古代マケドニアについて講義しているユージン・N・ボルザ教授は,この映画のガウガメラの戦い(the battle of Gaugamela)の描写を「印象的」と評したようだ。オリバーに拍手を送る(kudos Oliver)。

  1. U・ボート/ Das Boot (1981)
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潜水艦に乗りのナチスを描いた 5時間の映画として,最高の出来である。ローター=ギュンター・ブッフハイム(Lothar-Günther Buchheim)の小説を基にした『・ボート』は,不気味な(eerie)退屈さ(tedium)と手に汗握るサスペンス(gripping suspense)の境界線を完璧に乗り越えている。予想どおり,第二次世界大戦の広大な世界的規模(the broad global scope)が,海底数百メートルの金属箱の中に縮小され,非常に(immensely)閉塞感がある(claustrophobic)。おそらく 2回に分けて観るのがベストだが,長い上映時間の価値は間違いなくある。

  1. ダンケルク/ Dunkirk (2017)
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『ダンケルク』には,耳をふさぐようなハンス・ジマー(Hans Zimmer/クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)のシーンがたくさんある。戦争映画には,それはふさわしい(appropriate)。戦争は確かにかなり騒々しい。しかし,映画の中ではめったにない,ひっそりした(quieter)静かなシーンこそが,『ダンケルク』を,ありきたりの残忍な戦争映画(brutal battlepic)よりも格上げしている(elevate)。
もちろん,映像は素晴らしい-カメラは,アクションだけでなく,その直前の期待の瞬間にも,あなたを引き込む。そして,ハリー・スタイルズ(Harry Styles)!思ったより素晴らしい!そして,若き日のバリー・コーガン(Barry Keoghan)。マーク・ライランス(Mark Rylance)。ケネス・ブラナー(Kenneth Brannagh)。基本的に,この映画を好きになる理由はいろいろあり,それらが合わさって映画のシンフォニーとなっている。

  1. 突撃 / Paths of Glory (1957)
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「戦争は地獄(War is hell)」は,おそらく戦争映画のジャンルが掘り起こしたテーマの中で最も確立されており,そして言うまでもなく最も実り多いテーマの鉱脈(thematic seam)である。あまり研究されていないのは,軍隊の構造と環境を利用して階級と権威の概念を検証する(interrogate)方法である。しかし,これは明らかにスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)が興味を持っているものである -「フルメタル・ジャケット(Full Metal Jacket)」の陸軍訓練キャンプよりずっと前に,彼が脚本家,監督,プロデューサーとして初めて手がけた「突撃」は制作された。
カーク・ダグラス(Kirk Douglas)は,自殺行為とみなせる任務の遂行を拒否したために軍法会議にかけられるフランス陸軍大佐を演じている。この作品は,キューブリックの評価がもっと高かった時期に公開されていたら,間違いなくオスカーを逃していただろう。この作品の成功は,おそらく「戦争は地獄」というジャンルの仲間の多くよりも反戦映画としてのアイデンティティが強いと言えるほどであり、より有名なキューブリックの作品と同じくらい慎重に考え抜かれている。

  1. アラビアのロレンス / Lawrence of Arabia (1962)
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この映画は「今はもうおじいちゃんじゃない(not now grandad)」という評判があるが,見てください:本当に(genuinely)素晴らしい映画である。この映画は,オスマン帝国(Ottoman Empire)に対するアラブの反乱を率いた,魅力的な(spiffing)英国の元考古学者(former archaeologist),T.E.ロレンス(T. E. Lawrence)の物語である。この映画は,デビッド・リーン(David Lean)と撮影監督のフレディ・A・ヤング(Freddie A. Young)によって完璧に(immaculately)撮影され,ヨルダンの砂漠の素晴らしいワイド・ショットがいくつか登場する。映画は陰鬱な(brooding)幻覚的要素(hallucinatory element)で盛り上がり,熱気で濃くなった空気(heat-thickened air)が背景のどこかで絶えず踊っている。映画の冒頭で,遠くにいるラクダが登場するシーンは,それ以降の戦争映画の中でも最も緊張感に満ちたシーン(suspenseful sequences)の1つである。

  1. 彼らは生きていた / They Shall Not Grow Old (2018)
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『彼らは生きていた』は,第一次世界大戦の最前線にいた英国軍の一般兵士の映像を何巻もフル・カラーで再現している。そうすることで,この映画は,カラーの存在,あるいは不在が映画にどのような影響を与えるかを示す興味深いケース・スタディとなっている。最も基本的な意味で,カラーはモノクロの古さに対して現代性を意味する。『彼らは生きていた』では,この効果により,塹壕にいる兵士たちが私たちに近づき,遺物(relics)や記録の断片としてではなく,同等の存在として想像できるようになる。

しかし,カラーは細部,つまり鮮明さと深みももたらす。そして,この映画の真髄は,鮮明さと深みである。純粋に歴史的な観点から考えがちな歴史の一部に,この映画は多くの命を吹き込む。キャラクターと会話に陰影を加え,将軍や政治家の気まぐれ(whim)で動く戦略上の駒を,複雑な人生を送る人々を戦争によってさらに複雑化させる。「ザ・ビートルズ: Get Back」は,ある程度理解できるかもしれないが,ピーター・ジャクソン(Peter Jackson)監督のドキュメンタリー・ジャンルへの決定的な進出(foray)として記憶されるかもしれない。しかし,古典的に愛されなかった子供(classically-underloved child)のように,「彼らは生きていた」は,彼にとって常に初めての作品である。

  1. パンズ・ラビリンス / Pan’s Labyrinth (2006)
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映画でフランコ主義を探求する方法はたくさんあるが,魔法の牧神(magical fauns)が登場する可能性は低い。それでも,2006年にメキシコのギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro)監督が素晴らしい作品を生み出した。『パンズ・ラビリンス』はスペイン内戦の国境を舞台にしており,想像力豊かだが問題を抱えた少女が,映画史上最悪の継父(step-dads)の 1人であるサディスティックなファシスト党ファラギスト将校のヴィダル大尉に紹介される。
しかし,地上世界の残酷な現実の下には,埋もれた魔法の王国が,失われた王女の到来に備えている。『パンズ・ラビリンス』はうまくいかないはずだ:ダークなリアリズムと気まぐれなおとぎ話(whimsy fairy-tale)がぶつかり合うのは,不調和で不快なはずだが,そうではない。

  1. M★A★S★H マッシュ / M*A*S*H (1970)
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M*A*S*H’ の予告編では,この映画を「重要な道徳的問題を提起し,そしてそれを放棄する映画(a motion picture that raises some important moral questions, and then drops them.)」と表現している。実際はやや控えめに表現しているかもしれないが,これはこの映画が戦争映画の世界で占める斬新な位置(the novel space)をかなりよく表している。
ロバート・アルトマン(Robert Altman)がカメラの後ろに,ドナルド・サザーランド(Donald Sutherland)がカメラの前に立つ ‘M*A*S*Hは,朝鮮戦争の最前線近くの移動式陸軍外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)の「おふざけ」(antics)を追っている。病院の真面目なメンバーは,臨時の(ad-hoc)戦時病院でできる限り楽しもうとする 2人の外科医によって絶えず刺激される。これはあなたが考える以上のものである。

こうした楽しみの追求に身を捧げる登場人物たちが,戦争を演じるのではなく,戦争の影響から人々を救っているという点が,この映画が暴力を矮小化(trivialising)しない鍵なのかもしれない。‘M*A*S*Hは基本的にコメディである。人々が楽しくて馬鹿げた時間を過ごす様子を描いている。当然,戦争を美化している(glamourising)という非難も寄せられるだろうが,‘M*A*S*Hが実際に美化しているのは、戦争と非常に近い距離にありながら,人間が人間らしさ,遊び心,ユーモア,そして戦争と正反対のあらゆるものを保持できる能力なのだ。

  1. フルメタル・ジャケット / Full Metal Jacket (1987)
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もちろん,この映画の後半部分を覚えている人は誰もいないだろうが,それはあまり問題ではない,その頃には,すでに脳に焼き付いている(soldered)のだから。キューブリックの『フルメタル・ジャケット』は,ソーセージ製造機と,その反対側から出てくる挽肉という,米軍の機械(the US military machine)に対する真に揺るぎない(unflinching)展望(vision)である。
この映画には,R・リー・アーメイ(R. Lee Ermey)の素晴らしい助演も含まれている。アーメイはもともと技術サポートとして雇われたが,以前の軍隊での経験が,攻撃的な雄弁(oratory)を芝居がかった(operatic)レベルで巧みにこなすのに役立ち,キューブリックは彼をハートマン軍曹役にキャストせざるを得なかった。「お前は尻を正して,ティファニーのカフスボタンを私にぶちまけないと,絶対にぶちのめしてやるぞ!(You had best square your ass away and start shitting me Tiffany cufflinks or I will definitely fuck you up!)」

  1. 戦場でワルツを / Waltz With Bashir (2008)
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マックス・リヒター(Max Richter)の目もくらむような音楽に支えられた(bolstered)『戦場でワルツを』は,監督のアリ・フォルマン(Ari Folman)の体験を回想する。フォルマンは元イスラエル国防軍(IDF:Israel Defense Forces)兵士で,1982年のレバノン戦争に参加し,サブラとシャティーラの虐殺(the Sabra and Shatila massacre)のすぐ近くにいた。フォルマンの映画は,戦争に参加することに伴う記憶と責任について描いている。
美しいアニメーションで描かれた『戦場でワルツを』は,フォルマンが1982年に自分に何が起こったのかを思い出そうとする様子を追っている。フォルマンは個人的な記憶喪失(amnesia)を抱えているが,同時に,国家が自国の軍事政策の結果を理解しようとしない(reticence)という奇妙な形の国家記憶喪失(national amnesia)にも遭遇する。

  1. 628 / Come and See (1985)
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おそらく,これまでで最も恐ろしい映画だろう。エレム・クリモフ(Elem Klimov)監督の 1985年の反戦映画『炎628』は,原題が「ヒトラーを殺せ(Kill Hitler)」で,ナチス占領下のベラルーシのパルチザンに加わった 10代の少年フリョーラ(Flyora)を追った作品である。この映画は,独特の方法で観客の心に刺さる。
悪夢に見るだろう;それは,血みどろの(gore)描写(depicted)や残虐行為(atrocities depicted)の規模のためではなく,その重苦しく(oppressive)ひそかに(covertly)シュールな雰囲気のためである。この映画は,主演俳優の 16歳のアレクセイ・クラフチェンコを危うく死に至らしめるところで,撮影終了(wrap date)後,彼は白髪で学校に戻った。

  1. 関心領域 / The Zone of Interest (2023)
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『関心領域』では,実際のところ戦争はあまり見られない。舞台となる戦争の内側を見ることすらない。アウシュビッツの司令官ルドルフ・ヘス(Rudolf Höss)の家族と,庭の壁の1つを強制収容所と共有する家での奇妙に牧歌的な生活(idyllic life)に焦点を当てている。しかし,この映画の才能は,残虐行為を描くのではなく,喚起すること(invoking)である。
ミカ・レヴィ(Mica Levi)のぞっとするようなサウンドトラックの助けを借りて,ジョナサン・グレイザー(Jonathan Glazer)は,逆説的に周辺(periphery)に焦点を当てた作品を作り上げた。観客の想像力を利用して,一度に2つの映画を作る - 1つはスクリーンで見ているもので,もう1つは画面の外にあるとわかっている。映画全体を通して,その周辺,つまり2つ目の映画で起こっていることの完全な恐怖を登場人物がどれだけ認識している(cognisant)かという疑問が残る。それは美しく繊細なタッチで究極の解決に達する。

  1. / Ran (1985)
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羅生門を除けば,1985年の『乱』はおそらく黒澤明の最も有名な作品であり,間違いなくスケールの点で最も壮大な作品である。この映画は彼の最後の大傑作と広くみなされており,モノクロームの同類である「蜘蛛巣城」と同様に,シェイクスピアの戯曲を同時代の歴史的な日本に翻案している。この映画はリア王のテーマを微妙に拡張し,主人公の「我々は地獄にいるWe are in hell…)」という一言で始まる(beckoned in),映画史上最も緊迫した戦闘シーンの1つを特徴としている。『乱』は動く絵画のように見えると言われているが,それは本当であり,すべてのフレームがろうそくの灯りが灯るアーティストのスタジオで苦労して(painstakingly)構成されたように感じる。

  1. 地獄の黙示録 / Apocalypse Now (1979)
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ジョセフ・コンラッド(Joseph Conrad)の『闇の奥(Heart of Darkness)』をコッポラ(Coppola)が映画化した作品は,おそらくこれまで公開された戦争映画の中で最も有名な作品となった。これは当然のことだ。コンラッドの-驚くほど短い-小説を読めば,映画化は不可能だと考えるのも無理はない。
コンラッドが言うように,彼は「夢の本質」を描写しようとしていたが,フィリピンで赤痢に苦しむキャストやスタッフと共に,コッポラはなんとか不可能を成し遂げた。彼はコンラッドの傑作を,LSD,ポップ・ミュージック,化学兵器,攻撃ヘリコプターの新時代に持ち込んだが,物語の中心にある詩的な深淵はそのまま維持した。

  1. アルジェの戦い / The Battle of Algiers (1966)
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ジッロ・ポンテコルヴォ(Gillo Pontecorvo)の『アルジェの戦い』の妥当性(relevance)は,常に現代に引き戻されている。アルジェリア民族解放戦線(the Algerian FLNFront de Libération Nationale)のメンバーが主演し,プロデュースした,ポンテコルヴォ(Pontecorvo)の1966年公開の作品は,危険なほど(perilously)勇敢なことをしている;フランス植民地主義の恐ろしさを思い起こさせると同時に,不公正な制度に苦しむことは,道徳的に行動する集団の前提条件(prerequisite)ではないことを証明している。
アンゴラ,ベトナム,キューバ,ラテン・アメリカでの解放闘争の後に制作​​された『アルジェの戦い』は,真の反帝国主義映画であり,いかなる方向にも言説の領域を譲ることを拒み,曖昧な(ambiguous)グレーの色合いをフルに含んでいる。

(転載了)
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観たのは 半分程度でしょうか。

半世紀以上前の大学生の時 観た,若き日のドナルド・サザーランド(19352024.6.20)と エリオット・グールド(1938  )が共演した ‘M*A*S*H’ の斬新さは 今でも記憶に残っています。

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2024年8月 7日 (水)

「ジャッカルの日」のテレビ・シリーズ版が作られる。

男性誌GQの英国版 ‘GQ-UK’ の CultureJuly 26,2024付けで
Inside The Day of the Jackal, Eddie Redmayne and Lashana Lynch’s ambitious new hitman series
「エディ・レッドメインとラシャーナ・リンチの野心的な新ヒットマン・シリーズ『ジャッカルの日』の内幕」
の見出しで 新しいTVシリーズが紹介されていました。

下記,拙訳・転載します。
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GQは,フレデリック・フォーサイス(Frederick Forsyth)の古典的暗殺小説を ‘Sky’ が再解釈した作品のキャストとスタッフに話を聞いた。

1973年の “The Day of the Jackal”(ジャッカルの日)は,父親たちが通過儀礼として受け継いでいる(pass down as a rite of passage)古典的なスリラー映画の 1つである。そうでなくとも,日曜の午後のんびりとした時間に ‘ITV 2で この映画を観たことがあるかもしれない。エドワード・フォックス(Edward Fox)が,タイトルの(titular)ジャッカルを演じる。ジャッカルは,1963年にフランスの過激な(militant)極右勢力からシャルル・ド・ゴール大統領の暗殺を依頼された殺し屋である。

映画の第一幕では,細部にまでこだわる彼の細心の(scrupulous)注意が堪能できる(savours):例えば,無害な部品に分解できる特注の(bespoke)ライフルを購入したり,偽造文書を偽造者(forger)から入手したり,判断を誤った恐喝(extortion)未遂の末に偽造者を素手で殺害したり。 彼は形を変える一匹狼,いや,ジャッカルであり,人を殺すのがいかに上手いかということ以外,我々は彼についてほとんど何も知らない。

ヒットマン映画の数限りない作品(デヴィッド・フィンチャー監督の2023年のオマージュ映画『ザ・キラー』を参照)にその影響が感じられる,非常に豊かなキャラクターは,再解釈されるにふさわしい。ただし,前回は特にうまくいったわけではない:『ジャッカルの日』を現代風にアレンジ(contemporise)しようとした最後の緩い試みは,1997年にブルース・ウィルスとリチャード・ギア主演で行われ,批評家はそれを失敗作(dud)と呼んだ。

しかし27年後,‘Sky & Peacock’ は原作を現代風に再解釈し,政治的分裂と常に存在する世界的危機という緊迫した(fraught)世界にジャッカルを登場させた。脚本は ‘Top Boy’ の脚本家ロナン・ベネット(Ronan Bennett)が書き,シリーズの製作総指揮は ‘Downton Abbeyのギャレス・ニーム(Gareth Neame)とナイジェル・マーチャント(Nigel Marchant),主演はエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)とラシャーナ・リンチ(Lashana Lynch)が務める。

「我々二人ともこの本が大好きで,子供の頃に映画も見た - 私は人生で何度もこの映画を見てきたが,いつも本当に尊敬していた。」とニームはマーチャントとともにGQに語った。彼らは当初,これほど評価の高い(esteem)原作に取り組むことに慎重だったが,この物語をエピソード形式のテレビ番組で展開することは,断る(turn down)にはあまりにも良い機会に思えた。
「これはとても象徴的で心をつかむ物語なので,それを現代の文脈で再考し,複数のエピソードからなる番組の利点をすべて活かすことは…この非常に尊敬されているIPを取り上げ,このように展開するのは本当に興味深いことだと思った。」

マーチャントも同意する。「この種のタイトルは多くの人々の意識の中にあると思う。そして,そう,これをより大きなキャンバスで伝えることの利点は何だろうか?」

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このバージョンで最も明らかな違いは,舞台が現代であるということだ。「過去に留まるとするなら,なぜそうするのだろう? 映画をより良いものにすることはできない。」とニームは言う。しかし,古典的な『ジャッカルの日』スタイルで,レッドメインのヒットマンは,ギャップ・イヤー社のインターレイル・パスよりも多くのヨーロッパの都市を駆け巡っている。

ということで,このシリーズはミュンヘンのジャッカルから始まる。すぐにジャッカルだとわかるわけではない:彼はしわの多い義肢と付け毛,コンタクトと付け歯を装着し,年配のドイツ人門衛(janitor)に変装している。これは,警備をすり抜けて,分裂的な極右扇動者の選挙本部に入るための方法だが,これ以上ネタバレはできない。

彼は,途中で消音ピストルでスタッフの半分を容赦なく殺害するという必要なことをやり終えると,警察が到着するちょうどその時に,大胆にも屋上から懸垂下降(absailing)で脱出する。雰囲気を説明すると:ミッション・インポッシブルとダニエル・クレイグのボンドが本当に暴走したような感じがする。

1対1で対応してないが,原作と映画のファンも心配無用-全体を通して原作と映画の両方に対する敬意がはっきりと感じられ,このバージョンはストーリーがテレビ用に拡張されているものの,大まかに同じ筋書きをカバーしている。ジャッカル自身については,レッドメインの演技はフォックスの古典的な演技を思い起こさせると同時に,彼自身の作品のように感じられる。「フォックスの演技は,子供の頃とても好きだったので,いつも心に残っている。」とレッドメインはGQに語る。
「しかし同時に,観客には,この社会病質的な(sociopathic)冷たさと,人生と幸福を望む人間との間で揺れ動けるようにしたかった」。彼は,オマージュの明確な例としてナタリー・ハンフリーズの衣装デザインを指摘する。「彼女はオリジナル映画のダンディで少し孔雀のような性質について具体的に語り,我々はそれらの要素をどのように維持したいかについて話した。」とレッドメインは言う。

「オリジナル(映画)を知っていれば,番組を通して隠されたシーンを楽しめる(get these Easter eggs)-セリフのいくつかは完全に一致しているし,シーンは文字通りオリジナルからショットごとに撮影されている。」とマーチャントは言う。「だから,知っていれば途中でお楽しみがあり,オリジナルを愛する我々にとってもそれは重要なことだと感じた。」

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最初の仕事からしばらくして,おなじみのストーリーが始まる。ダーク・ウェブ上の謎の顧客候補が,ジャッカルに,彼のキャリア最大の仕事(hit)に退職金級の金額を提示する。(現代の設定を考えると,ターゲットは明らかにシャルル・ド・ゴールではないが,明かせるのはここまで。)そしてシリーズ全体を通して,原作から大きく逸脱するもう一つの点として,ジャッカルの生い立ち(backstory)と,彼が選んだキャリアパスの理由や経緯を掘り下げていく。

(繰り返しになるが,もっと話したいが,私の胸の上に赤いレーザーの点が浮かんでいて(hovering),私は自分の命を大切に思っている。)レッドメインは当初,ジャッカルの背景を掘り下げすぎることに慎重だった。伝統的に,彼について何も知らないことが肝心なのだが-脚本に取り込まれた(won over)。

「エドワード・フォックスの演技は,2時間半にわたって並外れたカリスマ性を持つ謎を描いているため,とても素晴らしい。」とレッドメインは言う。「だから,そのファンとしての私の挑戦は -待てよ,私は,(バックストーリーを)解き明かすことが安易に感じられない方法があると感じた場合のみ,これを引き受けたいと思った。」

ニームは,ジャッカルの過去を探るチャンスが常にポイントだったと語る。「最初から,主人公が幽霊のままの10話構成のテレビ・シリーズは作らないと分かっていた。」と彼は言う。「だから,プライベートな生活,個人的な生活というアイデア,つまり彼がこの並外れた職業の世界と普通の生活を両立させようとしているという事実は,そこから生まれたのだ」。シリーズの後半で,別の登場人物が,この仕事では健康的なワークライフ・バランスは持続不可能だということを彼に告げると,ニームは指摘する。

もちろん,「ジャッカルの日」は,タイトル通りの殺し屋だけを描いた作品ではない。物語の大部分は,スリリングな猫とネズミの追いかけっことして展開され,ジャッカルを追いかけるのは,殺人鬼モリアーティのシャーロック,フランス人探偵クロード・ルベル(1973年,ミシェル・ロンズデールが演じた)である。この新しい映画化では,このキャラクターは,MI6の狡猾なエージェント,ラシャーナ・リンチ演じるビアンカとして再考され,対テロ訓練と銃器の専門知識により,ジャッカルの理想的な引き立て役となっている。(リンチの最近の役柄との関連を思い浮かべるかもしれないが,この地に足の着いた官僚的な英国国王陛下のシークレット・サービスの構想は,ボンドとはほとんど似ていない。)

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「権力のある立場にある,または権力のある組織で働いているキャラクターがいる場合,女性が2つのタイプ,つまり強い女性か,何らかの形で乙女に分類されてしまう危険がある。どちらも実際には不公平だ。」とリンチは言う。
「最初の3話で私が読んだビアンカは,弱さ(vulnerability)から生まれた強さを持ち,自分のアイデンティティと仕事の意味について混乱している人物だった・・・ 彼女の世界と存在の中には,本物の人間のように感じるものがたくさんあった。」

ビアンカは,職場の人たちからイライラさせる邪魔者(disruptor)とみなされている;第1話の冒頭で,上司は会議中,メモに彼女を「厄介者(pain in the arse)」と書き殴る。しかし,彼女の不屈の(unrelenting)意欲と献身(commitment)はすぐに成果を上げる。「彼女は人々の限界を押し広げる。彼女は迷惑だ。彼女は止まらない。そして,彼女の限界の押し広げ方は非常に危険だ。」とリンチは続ける。「しかし,彼女は本当に善意の持ち主でもある。彼女は善良な心を持っているが,それをどう使えばよいか知らない。それは演じるのも,見るのも楽しい」。

結局のところ,ジャッカルとビアンカには,当初 彼らが認識していた以上に多くの共通点がある。「この 2人の主人公は、大きな欠陥を抱えた人間でありながら、互いに似たような魅力的な人間でもあり,衝突への一方通行の道を歩んでいるという前提全体が興味深いと思った。」とレッドメインは言う。

「彼らが下している恐ろしい選択にもかかわらず,あなたはこの2人の味方だ。」

『ジャッカルの日』は,117日に英国では ‘Sky’ とストリーミング・サービス ‘NOW’ で(米国では‘Peacock’ で)初公開される。

(転載了)
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日本では いつ観ることができるでしょうか?

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2024年7月10日 (水)

映画 “ARGO” で 英語の勉強。

NHK BSプレミアム で 映画 “ARGO” (2012)を観ました。
4Kの録画を保存していますが  live で観たくなって・・・ 。

2012年に日本で公開された時は 限定地域公開で,私が住む広島での上映がなく,年があけて 第85回 アカデミー賞作品賞を受賞した後,全国緊急再上映があって広島で観ることができました。

監督・製作(ジョージ・クルーニーを含む他2名と共同),主演は ベン・アフレック( ‘Ben Affleck’,1972~ )です。

(実話に基づく)話はー イラン革命により,1979年にホメイニー師率いる反体制勢力がパフラヴィー国王をイランから放逐,その後 アメリカがフラヴィー元国王を受け入れたことに反発した反米デモ隊が,テヘランのアメリカ大使館を占拠し,52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。その直前,6人のアメリカ人大使館員が大使館から脱出し,カナダ大使公邸に匿われる。この6人をイランから脱出させるため,CIA秘密工作本部作戦支援部で脱出支援の専門家 トニー・メンデス(演じるは ベン・アフレック)が呼ばれる。
いくつかの提案された脱出案(英語教師偽装案,飛行機にたよらず自転車による越境案 など)の成功の可能性に疑問を持ったメンデスが考えた脱出作戦はー 。

この作戦は長く機密事項とされていました。(1997年 解除)
実際の事件を 弊ブログ “
映画「アルゴ」の元になった事件を読む。” に詳説しています。 映画では 当然ながら 相当 脚色されているようで 実際は 映画ほど 危険な状況はありませんでした。

ここでは ラスト近く,作戦終了後,トニー・メンデスが 初めて上司(CIA副長官補佐)ジャック・オドネル ( ブライアン・クランストン :‘Bryan Cranston’,1956~ )と会うシーンで 英語の勉強をしました。

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And I left my autograph book at home.
His Eminence called me.
He wants to see you.
003_20240705081301 
He wants to fire me himself.

He wants to give you the Intelligence Star.
005_20240705081301 
You’re getting the highest award of merit of the Clandestine Services of these United States.
Ceremony’s two weeks from today.
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If they push it a week, I can bring Ian.
That’s his winter break.

The op was classified so the ceremony’s classified.
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He can’t know about it. Nobody can know about it.

They’re gonna hand me an award, then they’re gonna take it back?
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If we wanted applause, we would have joined the circus.
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I thought we did.

Carter said you were a great American.
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A great American what?

He didn’t say.
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autograph” :1. 自署、署名
                       2.〔有名人からもらう〕サイン
                       3. 自筆、直筆、肉筆
                       4. 自筆[直筆・肉筆]の文書
                       5. 自動記録

winter break” :冬休み(“holiday” と比べて?)

classify1.〔~を〕分類する
                 2.  情報・文書・問題を〕機密扱いにする,秘密にする

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2024年7月 6日 (土)

映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』で 英語を聴く。

BS12 で『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(“Tears of the Sun”,2003)を久しぶりに観ました。
米海軍特殊部隊シールズのウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)率いる隊が、内戦状態のナイジェリアに女医リーナ・ケンドリックスの救助へ向かい,村の難民を無視して逃げ出すことは出来ないと言う彼女に押し切られ,徒歩で国境に向かう途中,反乱軍に追われます。

空母上の上官 ロード大佐との 衛星電話の交信シーンの英語を聴いてみました。

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Yes, sir, captain, this is Waters.
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lntel reports military elements in your sector...
...conducting search and destroy of a U.S. military unit...
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...moving with Arthur Azuka, son of the late president.
What can you tell me?

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Yes, sir, we just discovered that ourselves.
He and his bodyguard hid themselves within Dr. Kendricks' refugee party.
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That's a major problem, lieutenant.
He involves your mission in the internal politics of a foreign nation...
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...affecting U.S. diplomacy and seriously increases the mission's risk.
He's considered a criminal by the new regime.
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He's a major liability. 

-What exactly does that mean, sir? –
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His party is excess cargo.

You mean he's not human, sir?
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Captain, this man is the lbo tribal leader.
Do you know what that means?

 Cut the shit. Who do you think l am?
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Sir, we both know what'll happen to him if l leave him out here.
There won't be a trial or a jury.
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Outside the courthouse, they'll put two in his head.
l'm just asking for a little help here.
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Put yourself in my shoes, Bill.

l've been in your shoes, lieutenant.
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Send in an air evac immediately and get all of us out of here, sir.

Negative on air support at this time. Airspace is too hot.
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Your judgment has risked the lives of your men and the mission's success.
l advise you, complete the evacuation as planned!
Do you read me?!
Dsc_7575
Yes, sir, l read you. Loud and clear.
But l cannot, in good conscience, do that without taking these people to safety.Dsc_7577
That's not your mission!

When have l not completed a mission?
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My team will complete this mission.
l give you my word on that. 

l don't like this.
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Get your ass back here alive soon as possible.
Maintain contact with OP center.
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l'll direct air support as soon as l can.
I promise you.
Dsc_7585
Yes, sir.
Eagle One, out.

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put yourself in someone else's shoes”: 相手の身になって考える

loud and clear”:〔音声の聞こえ方が〕はっきりと,明瞭に

give one's word”:約束する

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2024年6月24日 (月)

ドナルド・サザーランドの逝去を BBCは こう伝えた。

BBCJune 21, 2024付け
Actor Donald Sutherland dies aged 88
「俳優ドナルド・サザーランド,88歳で死去」
の見出しで伝えています。

下記,拙訳・転載します。
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『ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)』や『赤い影(Don't Look Now)』などの映画で主演を務めたカナダ人俳優ドナルド・サザーランドが,長い闘病の末,88歳で亡くなった。
息子で俳優のキーファー・サザーランド(Kiefer Sutherland)は「悲しいお知らせですが,父のドナルド・サザーランドが亡くなりました。私は個人的に,父は映画史上最も重要な俳優の一人だと思っています。」と語った。
「良い役でも悪い役でも醜い役でも,決してひるむことはなかった(daunted)。彼は自分の仕事を愛し,自分の好きなことをした。これ以上のことは望めない。充実した人生だった。」

サザーランドは半世紀以上に及ぶキャリアで,200本近くの出演作があった。
このニュースには、支援と賛辞があふれた。

ミニシリーズ『呪われた町(Salem's Lot)』でサザーランドと共演した俳優ロブ・ロウ(Rob Lowe)は,かつての共演者を「我々の最も偉大な俳優の一人」と呼んだ。
「何年も前に彼と一緒に仕事ができたことは光栄だった。彼のカリスマ性と能力は決して忘れない。」と彼はX/Twitterに書いた。

2001年のテレビ映画『アップライジング(Uprising)』で共演したケアリー・エルウィス(Cary Elwes)は,サザーランドの死に「打ちのめされた(devastated)」と語った。
「あなたのために心が張り裂けそうだ。」と彼はインスタグラムのメッセージでキーファーに伝えた。「彼と知り合い,一緒に仕事ができたことにとても感謝している。愛を送る。」

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カナダのニュー・ブランズウィック(New Brunswick)州生まれのサザーランドは,ラジオのニュース・レポーターとしてキャリアをスタートし,1957年にロンドン音楽演劇アカデミーで学ぶためにロンドンへ渡った。

その後,イギリスの映画やテレビで小さな役を演じた。
彼の初期の注目度の高い役は,1967年の『特攻大作戦(The Dirty Dozen)』,1970年の『戦略大作戦(Kelly's Heroes)』や『M*A*S*H』などの戦争映画だった。

カナダのジャスティン・トルドー首相は,サザーランドに初めて会ったとき「深く,深くスターに感銘を受けた(star-struck)」と振り返った。
「キーファーとサザーランド一家全員,そして今,私と同じように,間違いなく悲しんでいるすべてのカナダ人に,心からお悔やみ申し上げます。」と首相は述べた。
「彼は存在感のある人物で,技術に優れた才能があり,本当に偉大なカナダ人アーティストだった。」と首相は付け加えた。

ジョー・バイデン米大統領は,サザーランドについて「何十年にもわたり世界にインスピレーションを与え,楽しませてきた唯一無二の俳優」だと述べた。

1991年の映画『バックドラフト(Backdraft)』でサザーランドを監督したロン・ハワード(Ron Howard)は,サザーランドについて「史上最も知的で,興味深く,そして夢中にさせる(engrossing)映画俳優の一人」だと述べた。

ジェーン・フォンダ(Jane Fonda)は、1971年のアラン・J・パクラ(Alan J Pakula)監督のスリラー映画『コールガール(Klute)』でサザーランドと共演した。同作は,高額なコールガールの助けを借りて行方不明者を捜す刑事を描いた作品である。
2人は2年間交際していた。
インスタグラムでの追悼コメントで,フォンダはサザーランドを「素晴らしい俳優(brilliant actor)」と評し,ハワイ,日本,フィリピンでのベトナム戦争反対ツアー中に現役軍人の前でパフォーマンスするなど,「かなりの冒険(quite a few adventures)」を共にしたと語った。
「心が張り裂けそうです。」と彼女は付け加えた。

2017年の映画『ロング,ロングバケーション(The Leisure Seeker)』でサザーランドと共演したヘレン・ミレン(Helen Mirren)は、ハリウッド・レポーター誌に寄せた声明で,彼女の「友人」であり「私がこれまで一緒に仕事をした中で最も賢い俳優の一人」である彼に敬意を表した。
「彼は素晴らしい探究心(enquiring brain)と,幅広い分野に関する豊富な知識を持っていた。」と彼女は語った。
「彼はこの素晴らしい知性と深い感受性,そして俳優という職業に対する真剣さを兼ね備えていた。これらすべてが,彼を映画界の伝説としたのです。彼は私の同僚であり,友人でもあった。この世に彼がいなくなると寂しくなる。」

M*A*S*H』の共演者エリオット・グールド(Elliott Gould)はAP通信に声明を発表し,サザーランドを「兄弟」と呼んだ。
「ドナルド・サザーランドのような人間であり俳優の才能(calibre)を失うのは決して単純なことではないが,ドナルドは私の兄弟のようで,私のキャリアの大きな部分を占めていたので、今回のことは本当に深く(profoundly)傷ついている。」と彼は語った。

『私に近い6人の他人(Six Degrees of Separation)』でサザーランドと共演したウィル・スミス(Will Smith)は,1993年の映画から2枚の写真をインスタグラムに投稿し,「ドナルド,安らかに眠ってください(Rest in peace, Donald)」というキャプションを付けて追悼した。

1970年代には,サザーランドは『鷲は舞いおりた(The Eagle Has Landed)』でIRAメンバーを演じ,『アニマル・ハウス(National Lampoon's Animal House)』でマリファナを吸う(pot-smoking)大学教授を演じ,1978年のリメイク版『ボディ・スナッチャー(the Body Snatchers)』で主役を演じた。

1980年代,彼はアカデミー賞を受賞した『普通の人々(Ordinary People)』で自殺願望のあるティーン・エイジャーの父親を演じた。

2000年代にはテレビに転向し、『ダーティ・セクシー・マネー(Dirty Sexy Money)』や『マダム・プレジデント 星条旗をまとった女神(Commander-in-Chief)』などのシリーズに出演した。

数多くの役を演じたにもかかわらず,オスカーにノミネートされたことはなかった。2017年には名誉アカデミー賞を受賞した。

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サザーランドはキャリアを通じて政治活動家として知られ,フォンダとともにベトナム戦争に抗議した。
彼はまた,暴君スノー大統領(President Snow)を演じた『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション(The Hunger Games: Mockingjay - Part 2)』など、いくつかの役柄に自身の信念を注ぎ込んだ。
サザーランドは2015年にBBCに対し,この映画の社会政治的(socio-political)メッセージが若いファンに周囲の世界への意識を高める助けとなることを願っていると語った。

「私たちは世界で最も優しい男に,今まで見た中で最も腐敗し,冷酷な独裁者を演じるよう頼んだ。」と,ハンガー・ゲームXの公式アカウントは彼の死の発表後に投稿した。
「ドナルド・サザーランドの演技力とスキルは,彼の伝説的なキャリアを特徴づけた数多くのキャラクターの中に,もう1人の忘れられないキャラクターを生み出した。私たちは彼と知り合い,一緒に仕事をできたことを光栄に思う。そして,彼の家族に心からお悔やみ申し上げます。」

彼はまた,この業界で気づいた最大の変化は俳優が「大金を稼いでいる」ことだとBBCに語った。
「私の世代で金儲けのために俳優になった人はいないと思う。そんなことは考えたこともなかった。私はここ(ロンドンの舞台)で週8ポンド稼いでいた。ロイヤル・コートで演劇に出演していたときは週17ポンド稼いでいた。1964年のことだ」と彼は語った。

当時,彼は俳優業を引退する予定はないと語った。
「俳優業は情熱的な試み(endeavour)だ。俳優にとって引退は『死』を意味する。」と彼は語った。

彼の回想録 “Made Up, But Still True” (作り話だ,だが真実である)は 11月に出版される予定。

(転載了)
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大学生時代に観た『M*A*S*H』(1970)が最も印象に残っています。

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2024年6月22日 (土)

碓氷第三橋梁,通称「めがね橋」を知らなかった。

木村拓哉さん主演の連続ドラマ「Believe-君にかける橋-」(テレビ朝日系)の最終話(第9話)が6月20日に放送されました。
それまでの展開から この一回で 全ての決着がつくのかと心配した最終話でした。
最終話では 木村さん演じる橋梁設計者・狩山が 
天海祐希さん演じる妻・玲子(但し 想像)と かつて アプト式鉄道があった碓氷峠の橋梁を訪れるシーンがありました。

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煉瓦造りの美しいアーチ橋です。
調べるとー(Wikipedia より)
碓氷川に架かる煉瓦造りの4連アーチ橋「碓氷第三橋梁」,全長:91 m,川底からの高さ31 m,国鉄信越本線横川駅 - 軽井沢駅間の橋梁の一つで,同区間がアプト式鉄道時代に使われました。着工:1891年(明治24年),竣工:1893年(明治26年)。
使用された煉瓦は約200万個に及び,現存する煉瓦造りの橋の中では国内最大規模で,1993年(平成5年)に「碓氷峠鉄道施設」として,他の 4 つの橋梁等とともに日本で初めて重要文化財に指定されました
現在は横川駅からこの橋までの旧線跡が遊歩道「
アプトの道」になり、橋上の手すりや国道18号へ通じる階段などが整備されています。
「4連アーチ」とのことですが,4連全てを同時に示す写真が見つかりませんでした。

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2024年6月11日 (火)

英国でも 『ゴジラ-1.0』がヒット,その理由は?

GQ-UK’ の CultureJune 5, 2024付けで
How Godzilla Minus One became a monster hit on a shoestring budget
「『ゴジラ-1.0』がいかにして低予算で大ヒットを記録したか」
の見出し記事がありました。

下記,拙訳し,転載します。
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The Japanese action movie is now sitting in the number one slot on Netflix UK
日本のアクション映画がNetflix UK1位にランクイン

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Netflix が『ゴジラ-1.0』の配信が間もなく開始されると発表したとき,ストリーマーは,ちょっとしたことで大きな効果が得られることを痛感した。このニュースをほのめかすツイートは,ほんのささやかな宣伝(breadcrumb)だった:テキストはなく,ゴジラの爬虫類の頭が太平洋の海から突き出ているスクリーンショットを添えたものだった。そして,それでも,何千人もの視聴者がすべてを放り出して Netflix を起動し,落ち着いて(settle in)懐かしい怪獣アクション(ol’ Kaiju action)を楽しむ(revel)には十分だった。

この映画は間違いなくヒット作であり,先週公開されて以来,ストリーミングのナンバー・ワンの座を楽々とキープしている(sitting comfortably)。口コミ(word-of-mouth)の力によるところが大きい。『ゴジラ-1.0』は昨年の冬に映画館で公開されたとき,予想外の成功(surprise success)を収め,噂されていた1000万ドルという驚愕の(jaw-dropping)予算に対して,世界中で11500万ドルを稼ぎ出した。

この映画は静かに公開されたが,ネット上では,これはただのゴジラ映画ではなく,本当に素晴らしい映画だという噂が広まった。日本の東宝が制作したゴジラ映画は,一般には観客は字幕を読めないと思われるため,国際的にはニッチなアートシアター映画として軽視されている(brushed off)が,『ゴジラ-1.0』は,高層ビルを倒す(toppling)怪物のように,それらの壁を軽々と打ち破った(smashing)。

Netflix でのこの映画の勝利は,デジタル版と物理版のリリースが極めて(arduously)遅かった後にも起こり,意図せずして(inadvertently)『デューン 砂の惑星PART2Dune: Part Two)』を抑えて 今年最も海賊版が作られた映画となったが,それほど意外ではない(not-so-surprising)。誰の目から見ても,『ゴジラ-1.0』は 夏の必見の(must-see)ストリーミング・イベントだ。『ゴジラ-1.0』の成功に秘密はない - そのクオリティがすべてを物語っている。

当然ながら,日本はハリウッドよりもゴジラ映画の出来がはるかに良い。それはおそらく,両者の優先順位が異なるからだろう。『モンスター・ヴァース(Monsterverse)』シリーズはストーリーよりもスペクタクルを重視し,人間的要素を退屈なつなぎ(filler)に落とし込み,良い部分にたどり着けるようにしている。(ゴジラとコングの映画の登場人物を 1人でも挙げることができるか?)

東宝は完璧な実績を残しているわけではないが,本物の緊張感(real stakes)を与えるキャラクターを登場させ,真に魅力的な災害映画(disaster movies)を制作するリズムに落ち着いたようにみえる。『ゴジラ-1.0』の2016年の前作『シン・ゴジラ』(無関係)は滑稽である(farcical)。怪獣が東京を破壊したとき,日本の官僚政府が効率的に行動できないことを描いた,コメディである。
そして『ゴジラ-1.0』は,多くの点で,考える人間のゴジラである:戦後の日本政府が国民を無謀に(recklessly)扱った後,人々が命を大切にすることを学ぶ壊滅的な叙事詩的(devastating epic)映画である。

物語の中心人物は,元神風特攻隊員の敷島浩一。彼は犠牲となる任務を放棄し,恥辱の中,東京に戻る。彼は家を再建し,間に合わせの家族を養子に迎え、勇敢な(plucky)掃海艇(minesweepers)チームとともに巨大な怪物と対峙する。生きることを選んだのだから,彼が生き延びることを願うばかりだ。
ゴジラが戻ってくるのを待ち焦がれてこれらの映画を観ているのではなく,ゴジラの復活を恐れているのだ。『ゴジラ-1.0』 と 『シン・ゴジラ』は,タイトルの怪獣(titular kaiju)よりも大きくて重いアイデアに取り組んでいる。これは『モンスター・ヴァース』にひどく欠けているものであり,それをすべてわずかなコストで実現している。

皮肉なことに,は,小さな怪獣映画が実現したような感じがする。脚本家兼監督の山崎貴(視覚効果(visual effects)の監督も務めた)と彼のチームは,あらゆる場所に持ち込んだ愛らしいフィギュアで賞シーズンを勝ち取った - オスカー賞で展示された怪獣のドリップは言うまでもない。
しかし,この映画の魅力的な背景と表面上は小さなサイズにもかかわらず,『ゴジラ-1.0』は苦労して得た哀愁に支えられ,大ヒット映画製作と同じスリルを味わっている。火,破壊,混乱の中で,山崎の物語は生存と名誉についての考えと格闘し,どんな人間も小さすぎるとか取るに足りない(inconsequential)とかいうことはないと主張している。

『ゴジラ-1.0』が世界中の注目を集めたのも不思議ではない。より大きな目的のために団結する(rallying together)ことほど満足させられるものはない(gratifying)。

(転載了)
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深い「ゴジラ映画」の見方をしています。

shoestring” は「靴紐」ですが 名詞と形容詞で 「〔資本・財源が〕靴ひもを買える程度の(金),わずかの(金)」の意味があります。

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2024年5月29日 (水)

NHKドラマ「老害の人」で 伊東四朗が着ていたジャケットは ‘BARACUTA G9' ?

5月26日に放送された NHK BS プレミアム・ドラマ「老害の人」第四回で 主役の伊東四朗さんが着ていたジャケットが目に付きました。

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BARACUTA G9 HARRINGTON JACKET’ に見えます。
ちょっと気になるのは ライニングの “Fraser Tartan” の 緑色のラインが見えないことです。
光の関係でしょうか? それとも “Fraser Tartan” ではなく,従って ‘BARACUTA’ ではない?

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このドラマは 出演者が豪華です。
伊東四朗の他に 「老人」として 日色ともゑ,前田吟,三田佳子,小倉一郎,白川和子,高橋惠子などで,この第四回には バーの雇われマスターの チョイ役で 風間杜夫が出ていたのに驚きました。

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2024年5月24日 (金)

選ばれた「どんでん返し」映画 10作品は -

男性総合誌の英国電子版 ‘GQ-UK9 May 2024付けに
The 10 greatest movie twists of all time
「史上最高の『どんでん返し』映画 10作品」
と題する記事がありました。

下記,拙訳・転載します。
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新しい「猿の惑星」公開にあたり,「セブン(Se7en)」 の ‘head-in-a-box’(箱の中の頭部) から「サイコ(Psycho)」の甲高い殺害まで,映画の中で最も永続的で影響力のある「どんでん返し」を調査する。

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映画の「どんでん返し」のコツは,観客に衝撃を与えることと,騙された(short-changed)と感じさせないことの間のバランスをうまく保つことにある。 これを正しく理解するのは難しい:あまりにもばかばかしすぎ(outlandish),あまりにも突飛すぎて(outlandish),どんなにストーリーの下地を作ったとしても、観客の「不信の一時的停止(suspension of disbelief)」を台無しにしてしまうことになる。しかし,正しく理解できれば,映画的には最終的に何週間も背中の隙間に隠れていた頑固な(stubborn)かゆみに辿り着いたのと同じことになる。 完全な至福(total bliss),純粋なオーガズムの理想郷(Elysium)。

M・ナイト・シャマラン(M. Night Shyamalan)は,『サイン(Signs)』(エイリアンは水によって殺される)と『スプリット(Split)』(ジェームズ・マカヴォイの多くの人格の1つが人食い(cannibalistic)超人である)を通じて,『シックス・センス(The Sixth Sense)』のブルース・ウィリスのスタントで舞台を設定するという「どんでん返し」への愛について意見が分かれるが,それは彼が興行収入で大きな勝利を収めてきた証である。『ゴーン・ガール(GONE GIRL)』,『セブン(SE7EN)』,『ファイト・クラブ(Fight Club)』の間では,映画史上最も重要な大役をスクリーンにもたらしたデヴィッド・フィンチャー(David Fincher)も頭に浮かぶ。 悲しいかな,マスターでも時々間違えることがある。 殺人植物みたいな? 本当に?

それでも,「どんでん返し」があると,本当に当たる。映画館で,驚愕の(jaw-dropping)暴露(reveal)や,決して見たことのない衝撃的な展開以上に大きな利益を得られることはめったにない。 あなたが息を呑んだり,ショックを受けてパートナーの足を掴んだりするようなものだ。 それらはハリウッドの伝説のものであり,その多くは以下にリストされている: 映画の途中でスターのジャネット・リーを殺害した(slaying)『サイコ(Psycho)』。 「ソイレント・グリーンは人間だ!」と叫ぶチャールトン・ヘストン。 そして当然のことながら,『猿の惑星(Planet of the Apes)』でずっと地球だったという事実(revelation)に対するヘストンの恐怖。 (ザ・シンプソンズが言ったように,「ついにあなたは私を猿に仕立て上げてしまった)

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10. Malignant (2022)/ 「マリグナント 狂暴な悪夢」

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このリストの最初に,大胆な「どんでん返し」のモダンなマスタークラスをご用意する。これは,口をあんぐり開け(jaw on the floor),漫画のような暴力に対する耐性によっては胃が痛くなるようなものだ。 『マリグナント 狂暴な悪夢』は,結合双生児を出生時に引き離されたあるいは そう彼女は思った-女性(アナベル・ウォーリス)を中心としたとんでもない事件だ
一連の悪夢のような直感的な殺人と騒乱の映像の後,双子のガブリエルが実際には連れ去られなかったことが判明する; 彼は頭を激しく殴られたとき,ガブリエルが巨大な嚢胞のように彼女の頭蓋骨から飛び出したのを確認するまで,彼女の頭の後ろで眠っていた。

9. Black Swan (2010)/「ブラック・スワン」

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『ブラック・スワン』は、チャイコフスキーの『白鳥の湖』の近日上演に向けて,名ばかりの(titular))役を完璧に体現しようと奮闘するバレエダンサー,ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)演じるニーナの暴力的な心理的解明(the violent psychological unravelling)を描いている(depicts)。 リハーサルの最中に,新しいダンサーが劇団に加わる:ミラ・クニス(Mila Kunis)のリリーは,ブラック・スワンに求められる生来の傲慢さ(arrogance)を誇る,自由奔放な(uninhibited)ショー・ウーマンである。
彼らは,ニーナが白鳥の身体的特徴を引き継いでいるという幻覚を見て,その役に夢中になるまで、その役を二重に引き受ける。 大事な公演の夜,ニーナは更衣室の鏡のガラスの破片でリリーの腸を震えさせている自分を想像するが,映画の最後の瞬間に実際には自分自身を刺したことに気づく。

8. Don't Look Now (1973)/「赤い影」

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ニコラス・ローグ(Nicolas Roeg)の心に残る(haunting)悲しみについての瞑想(meditation)『赤い影』は,ジュリー・クリスティとドナルド・サザーランドが,娘の悲劇的な死をきっかけにヴェネツィアへ向かうカップルとして描かれている。 そこで彼らは,娘が亡くなったときに着ていたものに似た赤いジャケットを着た子供らしき人物を何度も目撃した。
彼らのところに 文字通り彼女の苦痛に満ちた精神が訪れているのではないかと考えられる。それで,映画のクライマックスでサザーランドがついに子供に追いついたとき,それがまったく子供ではなく,グロテスクな小人だということに驚くことになる。さらに悪いことに,彼女は彼の喉を切り裂いてしまう。 ひどいやり方だ!(Terrible way to go!

7. Million Dollar Baby (2004)/「ミリオンダラー・ベイビー」

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『ロッキー』に似た断片的な(scrappy)ボクシング負け犬(underdog)の物語として始まった物語は,『ミリオンダラー・ベイビー』で悲劇的な展開を見せる。本作では,オスカー受賞者のモーガン・フリーマン(Morgan Freeman)とヒラリー・スワンク(Hilary Swank)がともにキャリア最高の調子で,クリント・イーストウッドが映画の主演と監督のダブル・シフトで引っ張るなど,3人のノックアウト・パフォーマンスが繰り広げられる。スワンクはオザーク族(Ozarks)のアマチュア格闘家マギーを演じ,イーストウッド演じるボクシングジムを経営する気難しい(crotchety)変わり者(coot)のフランキー・ダンと出会う。
彼は最初,彼女をトレーニングすることを拒否したが,もう一人の優しい一面を持つ老人(old-timer)である友人のエディ・デュプリス(フリーマン)が説得する。この展開で映画は真っ二つに分かれる:アマチュアのランクを上げた後,マギーは100万ドルのタイトル・マッチ(title bout)を手に入れ,試合で優位に立って(dominates)いたが,汚い相手の背後からの一撃でKOされ,彼女はリングの隅にあった置き場所の悪い椅子の上で首を骨折してしまう。 『ミリオンダラー・ベイビー』は,本質的に,そして文字通りマギーの人生の終わりに自分が加担している(complicity)と考えるダンの悲しみを中心に,悲劇的な物語へと色調(tonal)を変化させる。

6. Se7en (1995)/「セブン」

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永遠の殿堂入りを果たした映画のセリフの中で,「箱の中は何だ!?WHAT'S IN THE BOX!?)」が おそらく最も声高らかにアナウンスされる。これは,『エイリアン 3』が大失敗に終わった後,フィンチャー(Fincher)がこの大作映画で二度目の挑戦をしたことについて,誰もが最もよく覚えているものでもあり,冷酷でシニカルな結末を前にしてクライマックスで悲しみが爆発したものだ。 ブラッド・ピットは,モーガン・フリーマン演じる賢明な(wisened)パートナーとともに連続殺人犯を追跡する白髪交じりの殺人課警官を演じる。 七つの大罪に基づいた一連の殺害の後,彼らはついにマークした,ケビン・スペイシーの適切な名前のジョン・ドゥ(John Doe)を捕まえる。 しかし「セブン」の最期の瞬間,ドウはピットにグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)の生首と思われるものが入った箱を差し出し,刑事をうまく説得して(coaxing)自身を射殺させ,こうして最後の罪「怒り(Wrath)」を完成させた。 彼はそれに従った。

5. Soylent Green (1973)/「ソイレント・グリーン」

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驚きや悲しみ,あるいは歓喜(glee)など,「どんでん返し」が呼び起こす感情の強さによって,私たちの感情的な記憶に残る。おそらくそれが,我々が連想するセリフを覚えている理由でもあり,感情的な思い出が非常に強いため,その言葉が財布の中にあるレシートのように脳の奥に残り,そこにあることにほとんど気付かないため決して捨てられない。
つまり,「ソイレント・グリーン」には,映画史に残るセリフ回しを誇る、もうひとつの素晴らしいどんでん返しの映画の展開があるということだ。 遠い未来,つまり 2022年。この映画が公開された 1973 年には遠い未来だった。生態系の崩壊(ecological collapse)により人類は衰退し,富裕層が豪華な(lavish)アパートに住み,貧しい人々が劣悪なまま(squalor)放置されるディストピアが見られる。 誰もが食べる「食べ物」のほとんどはソイレント社によって供給されており,同社はプランクトンから作られたとされる名ばかりの(titular)新製品を発売している。クライマックスのどんでん返し - そしてセリフは? 「ソイレント・グリーンは人間だ!(Soylent Green is people!)」

4. Primal Fear (1996)/「真実の行方」

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いくつかのどんでん返しは暗い。邪悪もある。他はまったく(downright)不快である(nasty)。 『真実の行方』のどんでん返しは これらのすべてを備えており,この映画に観客はまったく興味を示さず,いかなる満足感もなしに帰るという,まさに最も暗い結末だ。90年代のハンサムな顔,リチャード・ギアがシカゴの弁護人(defence attorney)マーティン・ベイルを演じる。彼は新たな依頼人,愛される(beloved)大司教殺害の容疑で告発された十代の侍者(altar boy)(エドワード・ノートン)を担当する。
過酷な(gruelling)裁判の後 ―「どんでん返し」はさておき,『真実の行方』は90年代の最高の法廷映画のひとつだ少年が「ロイ」という二重人格に支配されていたことを証明しようとするベイルは,少年の釈放に成功する。しかし,違う!(nope) 実は彼は精神異常者(deranged psychopath)で,ベイルをずっと意のままに操っていた(wrapped around his little finger)。ノートンには悪が染み込んでおり(seeped),時代を超えたパフォーマンスとなった。

3. Psycho (1960)/「サイコ」

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78 のカメラ位置,52 のカット,まさに「殺人」を意味する金切り声のスコアを備えたアルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』は,「ハリウッドの名声の歩道(Hollywood's walk of fame)」にスターの地位をもたらした。もちろん,我々が話しているのは有名なシャワー・シーンについてであり,このシーンは映画史上最も重大で(consequential)影響力のある「大でんでん返し」であると主張する人も十分にいるだろう:映画の最初の出演作で主演を務めたジャネット・リー(Janet Leigh)が 映画の途中,ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)の名を冠したモーテルでシャワーを浴びているときに彼によって殺害された。
おそらく,現在では我々はリーのスターダムに対する既成意識(au fait with)が薄れているかもしれないが -彼女のことはジェイミー・リー・カーティスの母親として最もよく知られているだろう - 彼女の衝撃的な死は60年代おいて大きな意味を持っていた。「スクリーム」は30年後,ドリュー・バリモア(Drew Barrymore)と共演した; 今なら,マーゴット・ロビー(Margot Robbie)を殺したり,『クワイエット・プレイス(A Quiet Place)』でエミリー・ブラント(Emily Blunt)を殺したりするようなものだろう。 (公平を期すために言えば,ジョン・クラシンスキー(John Krasinski)はかなり近い。)

2. Planet of the Apes (1964)/「猿の惑星」

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フランクリン・J・シャフナー(Franklin J Schaffner)の古典的SF作品(sci-fi classic)では,“roguishly hot”なチャールトン・ヘストンに率いられた3人の宇宙飛行士が遠い惑星に不時着し,そこでしゃべる宇宙猿(talking space apes)の文明を発見する。 猿たちは人間を捕虜にし,博物館で剥製され展示される二足歩行の(bipedal)ネズミ以上に人間を劣化させる(degrading)実験にさらす(PETAPeople for the Ethical Treatment of Animals:動物の倫理的扱いを求める人々の会)寄りのメッセージは特に微妙ではない)。
しかし,終わりが来る。衝撃のホラー: 自由の女神の遺跡(ruins)が目前に現れ,ヘストンは彼らが実際は未来の地球にいたことを知り,愕然として(in dismay)倒れる。さあ,どうぞ(Take it away)-,フィル・ハートマン(Phil Hartman,=ものまねコメディアン): 「なんてことだ,私は間違っていたOh my god, I was wrong…)」

1. The Sixth Sense (1999)/「シックス・センス」

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「どんでん返し」のキングにトップの座を与えなければなりませんね? 部分的ではあるが,『サイン(Signs)』(良い映画)の馬鹿馬鹿しさ(sillness)については,M・ナイト・シャマラン(M. Night Shyamalan)のすべての始まりとなった作品でなければならない - 『シックス・センス(The Sixth Sense)』。 現代の映画時代において,これは「どんでん返し」の結末を代表する(epitomises)「どんでん返し」であり,その評判が永続する理由はその結末(payoff)にある。
実際,映画全体がそれに向かってゆっくりと構築されていく;これはほとんどの「どんでん返し」には ある程度当てはまるが,明確に(explicitly)当てはまることはほとんどない。映画の “breadcrumbs”(パンくずリスト:道順)では,ブルース・ウィリスがずっと死んでいたことが最終的に明らかになる。しかし,ペニーが減れば,慌てるだろう。(But when the penny drops, what a rush.

(転載了)
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どんでん返し映画は嫌いではありませんが,1位の「シックス・センス」を含め,M・ナイト・シャマラン(M. Night Shyamalan)の映画は 全て「ガッカリ(拍子抜け)」 もしくは 「立腹(脚本にアラが多すぎ,ご都合主義。ドンデン返しが浅薄・無理やり。)」の作品ばかりで,この監督(脚本)の作品は,私には合いません。

どんでん返し,もしくは 「オチ」を「おとぎ話」で処理する作風が不愉快です。
観ている私は あらゆる自然科学,社会科学の知識に基づいて 「オチ」を予想しているのですが,それをあざ笑うように「おとぎ話」の「オチ」では 何とも後味が悪いのです。

「猿の惑星」は SF映画として観ているので SFの「オチ」としては痛快です。

「シックス・センス」で彼の作品を観るのを止めればよかったのですが,脚本・監督を確認して映画を観る習慣がないので その後も以下の映画を観てしまって,後で確認して彼の作品と知り,「やっぱり」と思いました。

「アンブレイカブル」(Unbreakable2000
「サイン」(Signs2002
「ヴィレッジ」(The Village2004
「アフター・アース」(After Earth2013
「メッセージ」(‘Arrival2016

どんでん返しの映画として,例えば ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが共演した『スティング』(The Sting1973)は,秀逸な「どんでん返し」で 劇中のギャングは勿論,同時に観客を騙します。「騙された」清々しさがありました。
なぜ,トップ10にない?

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